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本研究に関して、西南日本各地および小笠原列島の新生代火山岩類の野外調査を実施し、地質学的関係を明らかにした。さらに室内研究として、顕微鏡観察、蛍光X線分析による火山岩の全岩化学成分、EPMAによる造岩鉱物の化学組成を明らかにした。主な内容は次の通りである。
1 北中部九州における新生代火山岩類の地質学的岩石学的調査研究
2 南部九州北薩・南薩の新生代火山岩類の地質学的岩石学的研究
3 琉球列島における新生代火山岩類の地質学的岩石学的調査研究
4 瀬戸内・山陰地域の新生代火山岩類の地質学的岩石学的調査研究
5 中部・北陸地域の新生代火山岩類の地質学的岩石学的調査研究
上記地域の火山岩類に関して、各種室内研究の結果を以下に列記する。
1 西南日本の層序から、火山系列として(古第三紀〜)中新世のグリンタフ系と瀬戸内系、後期中新世〜最新世の大陸系、鮮新世〜前期最新世の豊肥・肥薩系、中期最新世の豊後系、後期最新世〜完新世の琉球・山陰系が存在することが、ますます明らかとなり、ほぼ実証できた。
2 アルカリ岩系は、大陸系と極く一部の豊肥系にのみ認められる。
3 ピジオン輝石を含有するソレイアイト岩系は、グリンタフ系、大陸系、豊肥系、肥薩系、琉球系の一部にのみ確認された。
4 その他の火山系列と火山岩類は、すべてカルクアルカリ岩である。
5 高マグネシア安山岩(SiO_2>56%;MgO>6.6%)は、瀬戸内系および琉球列島南部の西表島のグリンタフ系火山岩中に認められ、前者はカルクアルカリ岩系、後者はソレイアイト岩系である。このことは、後者が高温の条件下における結晶作用の結果として説明できる。
6 大陸系のアルカリ岩系玄武岩類における岩石学的性質の差は、マントル構成岩石(かんらん岩)の成分差、メルティング時のPT条件と程度、結晶作用のPT条件、マグマミキシングなどで説明し得る。
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