研究課題/領域番号 |
62460053
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学一般
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
弘原海 清 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047572)
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研究分担者 |
升本 眞二 大阪市立大学, 理学部, 助手 (40173760)
塩野 清治 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40047387)
八尾 昭 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (40047353)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | フィッション・トラック法 / 白亜紀 / 西南日本 / 画像処理装置 / 地熱 / 内帯 / 外帯 / ジルコン |
研究概要 |
初年度に導入した光ディスク記憶ファイルを装備した画像計測装置を用い、世界の標準年代サンプル(Fish Canyon tuffのジルコン)を基準にして、外部ディテェクタ-法によってジルコンによるフィッション・トラック年代を測定した。 近畿・中国地方の内帯の火山岩類(生野層群・相生層群・有馬層群・矢田川層群)および堆積岩(和泉層群)については中生代白亜紀から古第三紀(120Ma〜60Ma)の年代が得られた。生野層群の岩脈・鉱脈付近相生層群の花崗岩貫入の熱変成部分で、また和泉層群の最厚部では年代の若返りがみられた。外帯の四万十帯、秩父帯の酸性凝灰岩からのジルコン年代と放散虫の化石年代の比較結果では、前者がすべて若い年代側にシフトしている。ジルコンのフィッション・トラックのトラック長は地熱によって短縮(158〜224℃)したり消失する(224℃以上)ことが知られており、トラック長を測定して年代値を補正する必要がある。和泉層群のデ-タでこの補正を行った結果、期待される年代が得られた。 このような地熱効果は内帯では引き続く火成活動による変成・変質の際の地熱によるものであり、外帯ではプレ-トのサブダクションに伴う付加帯の変成や厚い地層の下部での地熱上昇によるものである。トラック長のデ-タから、この地熱効果を求め、その原因となるテクトニクスと対応を読み取る必要がある。また、真の形成年代を求めるためには、トラック長のデ-タを用いて年代補正デ-タとしなければ成らない。 これらの総合的な研究結果の検討とまとめは現在進行中であり、まとまり次第逐次公表していく予定である。
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