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1988 年度 実績報告書

四元層状化合物半導体Cd_xInGaS_<3+x>(x=1,2,…)の物性と応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 62460061
研究機関東京理科大学

研究代表者

入江 泰三  東京理科大学, 工学部, 教授 (40084363)

研究分担者 福田 敏男  東京理科大学, 工学部, 助教授 (70156785)
中西 久幸  東京理科大学, 理工学部, 助教授 (70084473)
遠藤 三郎  東京理科大学, 工学部, 教授 (90084392)
青木 昌治  東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (80010619)
キーワード急冷試料 / 混合粉末の熱処理 / 積層性 / ヘテロ接合 / 緑色発光機構
研究概要

前年度において、われわれはCd_xInGaS_<3+x>系のDTA曲線の測定を行い、またCd_3InGaS_6を種種の温度から急冷した試料のX線回析を行った。今年度はさらにCdInGaS_4とCdSの混合粉末を種種の温度で熱処理したもののX線回析とフォトルミネッセンスの測定を行った。これより、X線回析パターンの、ある特定の回析線の強度と、緑色発光の強度が、共に熱処理温度800℃以上から急激に増加していることがわかった。この特定の回析線はCdSの(002)面の回析線と一致している。また、この800℃という温度は前回のDTA曲線において、ある相移転の生じている温度でもある。これらの事実を、今までの実験結果と考え合わせると、Cd_xInGaS_<3+x>はCdInGaS_4とCdSが積層した物質であって、強い緑色発光は積層性と深くかかわっていることがわかった。
そこで今回はこの事を裏づけるために、CdInGaS_4単結晶をCdS蒸気中で熱処理することを試みた。得られた物質を低温で水銀ランプにより励起したところ、極めて強い緑色発光が生じた。この緑色発光スペクトルはCd_3InGaS_6において見いだされた発光と全く一致した。また、励起光強度を増加させるピークエネルギーが増加することから、DAペア発光と考えられる。この物はオージェ分析の結果、CdInGaS_4上にCd_xSが積層した物であることがわかった。われわれは、この事実に基づき、Cd_3InGaS_6の緑色発光機構として、CdS/CdInGaS_4ヘテロ接合モデルを提案した。このモデルを用いることによって、今まで理解できなかった、Cd_3InGaS_6における発光スペクトルの励起エネルギー依存性や、ノルマルフリージング法による結晶とブリジマン法による結晶のスペクトルの違いを説明することができた。今後はさらに人工的に積層物質を作成すると共に、CdをZnで置き換えていくことによって青色発光を目ざす予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 滝沢武男: Solid State Communications. 67. 739-743 (1988)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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