研究課題/領域番号 |
62460078
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
市川 昌弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80017334)
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研究分担者 |
高松 徹 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00106890)
秋田 敏 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60017390)
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キーワード | 余寿命評価 / 疲労寿命 / 微小き裂 / 極値統計 / 再帰期間 / 画像処理 / 信頼性評価 |
研究概要 |
本年度は3年間にわたる研究の最終年度である。まず昨年度に引き続いて、SUS316Lの高温低サイクル疲労試験を行い、その寿命中一定繰返し数間隔で、極値統計解析と画像処理技術を用いて最大き裂長さの推定を行って実測値と比較した。疲労試験の条件(650℃、大気中、全ひずみ範囲1%、引張り側ひずみ速度2×10^<-5>/S、圧縮側ひずみ速度2×10^<-3>/S)と供試材(オ-ステナイトステンレス鋼SUS316L)は、前年度と同じである。本年度の実験ではとくに、き裂の合体が極値統計による最大き裂長さの推定の有効性に及ぼす影響を明らかにすることに重点をおいた。試験片平行部全表面積628mm^2の中から、4×4mm^2のサンプル領域を設定し、これを16分割および4分割した各々の場合について最大き裂長さの推定値と実測値の比較を行った。その結果、16分割、4分割いずれの場合も、き裂合体開始前は推定値と実測値はほぼ一値するが、き裂合体開始後は推定値は実測値より小さく、その差は繰返し数の増加と共に増大することがわかった。極値統計による最大き裂長さの推定において、このような制約のあることは従来指摘されていなかったことであるが、これはこの方法の有効範囲を明確にする上で重要な知見である。 本研究において先に考案した信頼度(あるいは破損確率)を考慮した余寿命評価の方法に、上記の制約条件をとり入れることにより、この余寿命評価法の適用条件を明確にすることができた。 最後に、本年度は3年間の研究の最終年度であるので、研究成果を冊子体の報告書にまとめ、印刷した。
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