研究概要 |
各種プラントの設計計画では,システムを構成する「機器種類の選定」「機器要目の最適化」「配置・配管計画」など複雑な内容を含む. 本課題では,知識工学を応用してこのようなプラント設計を支援するための総合的設計手法の確立をめざして研究を進めている. 本年度において得られた成果は次のとおりである. 1.設計計画手法の構想の確立:舶用熱・電力供給プラントなざの設計事例について分析を進め,設計処理の中で,知識処理に適する部分,数理計画法に適する部分,図形処理が必要な部分を明らかにした. 2.設計手法の研究:上記の構想を実現するために,知識処理に適する部分については「オブジェクト指向による処理」をとり入れる. また,数理計画法に適する部分には「混合整数計画法」を用い,両者についてLISPとFORTRANを結合したソフトウェア上に具体化した. 配管設計の部分については別途,オブジェクト指向形言語Smalltalkー80を用いたシステムとして実現した. 3.ワークステーション上における知的インタフェイスの実現:上記の構想を62年度に購入したワークステーションSunー3/110C上に実現し,知識処理と数理処理のハイブリッド化をはかった. さらに大規模計算を伴う部分について大型汎用コンピュータ(ACOSー2000)との結合を進めつつある. 4.システムの詳細設計とプロトタイプの作成:具体的なエキスパートシステムとして,舶用熱・電力供給プラントの設計計画のためのプロトタイプシステムを完成し,さらに陸用のガスタービンコージェネプラントの設計計画のプロトタイプシステムについても開発を進めている. 5.数理計画法の適用の研究については,混合整数計画法をガスタービンコージェネプラントの設計計画に適用する方法について研究を進めている.
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