研究課題/領域番号 |
62460088
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機械要素
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森 美郎 京都大学, 工学部, 教授 (40025789)
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研究分担者 |
池内 健 京都大学, 工学部, 助手 (30026223)
山本 穣 京都大学, 工学部, 助手 (50026100)
森 淳暢 京都大学, 工学部, 助教授 (80026202)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 混合潤滑 / スクイーズ膜 / 表面あらさ / 平均流モデル / 人工関節 |
研究概要 |
高分子材料、エラストマを用いる潤滑面の混合潤滑問題の基礎研究として、ランダムなあらさを有する弾性体と剛体平滑面が接触するときのすきま部の特性を調べた。一様な接触圧力のもとで膜厚さの平均値と接触すきま部の流動特性を測定する新しい実験方法を考案し、接触圧力、膜厚さ、圧力流係数の相互関係を実験的に定めることができた。それによって接触圧力の増加につれて表面あらさ形状が非対称になるとともにその大きさが減少し、同時にすきま部に多数の孤立した潤滑剤溜りが分布するようになって、圧力流れが急激に減少することが明らかになった。以上より、接触部以外では表面あらさ形状が変化しないと仮定した従来のモデルは柔らかい材料には適用できないことが示された。 ついで、一様な厚さの柔らかい弾性体と平滑な剛体スラスタの間に形成されるスクイーズ膜の、流体潤滑状態から混合潤滑状態を経て固体接触状態に至る遷移の全過程を調べた。円形平面スラスタの場合には、時間の経過につれて流体圧力が低下するとともに端部近くで接触圧力の鋭いピークが生じた。球面スラスタの場合には、流体圧力の高い時には接触圧力はほぼ一様に分布するが、接触が進むにつれて中央部で接触圧力が高くなった。また弾性体が柔らかく、かつ表面あらさが小さいほどスクイーズ膜効果が長時間持続することが明らかになった。計算結果と実験結果の比較から、表面あらさのために生じる潤滑剤溜りの寸法が潤滑部の寸法よりも十分に小さくなければ平均流モデルが成立しないことが示された。
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