研究課題/領域番号 |
62460089
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
市丸 和徳 九州大学, 工学部, 教授 (60037760)
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研究分担者 |
森田 健敬 九州大学, 工学部, 助手 (70175636)
和泉 直志 九州大学, 工学部, 助教授 (60184579)
山本 雄二 九州大学, 工学部, 教授 (10037997)
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キーワード | 転がり接触 / 変動荷重 / 部分的弾性流体潤滑 / 表面粗さ / 突起間干渉 / 油膜形成 / 合成粗さ |
研究概要 |
1.二円筒試験:なじみの生じにくい高硬度の浸炭焼入れ材を用いた前年度の実験に引続き、なじみが生じる中硬度の焼入れ焼戻し材(Hv400XHv300)を用いてピッチング発生までの油膜形成状態に及ぼす変動荷重の影響を調べた。その結果得られた主な知見は次のとおりである。(1)二円筒を1/1の歯車で駆動し、回転に完全同期した(1回転を周期とする)変動荷重を加えた場合、表面粗さの転写により油膜形成が改善され、高負荷域では低負荷域より早く転写が起こるので、油膜形成状態は運転初期には高負域の方が良好になるが、時間の経過とともに負荷状態にかかわらず全周にわたってほぼ一様になる。(2)変動荷重下よりも、その変動荷重の最大荷重に相当する静荷重下の方が油膜形成状態は早期に良好になる。(3)1/1歯車駆動で7/8回転を周期とする変動荷重の場合には、転写状態がほぼ一様になり高負荷時での油膜形成状態は低負荷時のそれより劣化しているのが観察される。(4)29/28の歯車駆動で回転に完全同期の変動荷重下では、1/1駆動に比べ油膜形成は著しく不良で、早期にピッチングが発生ずる。(5)ピッチングの発生箇所は、回転に同期した変動荷重下では最大負荷点の前後であった。2.表面粗さの統計的解析:3次元粗さ測定機の出力をAD変換しパソコンに取り入れて解析した結果、1/1と29/28の駆動状態によってなじみ後のミクロ形状特性に著しい相違が生じていることが確認された。とくに、1/1の転写状態については、相対応する接触位置を一致させて両面の3次元形状を合成することにより、相互相関を考慮した粗さの数値として定量的に把握することが可能となった。3.歯車試験:前年度に引続き動荷重下の油膜形成状態を調べている。4.フェログラフによる摩耗粉分析:二円筒試・歯車試験の潤滑油についてフェログラムをとり、なじみの経過との対応を調べている。
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