研究概要 |
1.キャビテーション気泡の挙動を簡易に観測するために,CCDリニアイメージセンサを用いた高速度現象観測装置を試作した. CCDリニアイメージセンサにはTCD104C(東芝製)を採用し,これを4MMHzで駆動することによって約37秒ごとのキャビテーション気泡の一次元像の観測を可能にした. これは約27,000コマ/秒の高速度カメラで気泡の大きさの時間変化を観測することに相当しているが,本実験においてはバッファメモリを持たせたA/D変換装置によってCCDリニアイメージセンサの出力をディジタル化し,サンプリング周波数4MHzで直接に記録した. さらにこのデータをコンピュータに転送して各種の処理を行った. 本試作装置は128kバイトのバッファメモリを持っており, この記憶容量によって約33m秒間のキャビテーション現象の記録・観測に成功した. そして,この試作実験研究を通じて,固体壁面近傍のキャビテーション気泡の挙動に関する新たな知見を得た. 2.キャビテーション現象によって発生する局所的な衝撃圧力分布を測定するために,新たに受圧面寸法1mm×1mmの局所圧力変換素子を試作し,これを一列に固体壁面上に埋め込ことによって局所的な衝撃圧力の発生状況を観測した. この結果,キャビテーション気泡が固体壁面近傍で収縮・再膨張するときに発生する衝撃圧力の中で,液体マイクロジェットあるいは衝撃波によって発生する衝撃圧力値の程度が明らかにされた.
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