研究課題/領域番号 |
62460096
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山本 勝弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10063752)
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研究分担者 |
吉岡 英輔 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063699)
田島 清〓 早稲田大学, 理工学部, 教授 (60063335)
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キーワード | 高速液体噴流 / パルスジェット / ノズル / ピストン衝撃圧 / 圧縮性流体の数値解析 / 気液二相流 / 衝撃波 / 噴流の衝撃力 |
研究概要 |
先細ノズルから噴出する非定常な高速液体噴流の流動特性を明らかにするため、本年度は立体静止画像を記録するホログラフィ光学系を製作した。光源として発光時間30ns、エネルギ約600mJのジャイアントパルスルビーレーザを用い、撮影法は光量上有利な透過式のOff-Axis型明視野法とした。また、ノズル内の非定常流を数値解析するため、2段階ラックスヴェンドロフ法と低次精度差分法をハイブリッド化して振動を抑えるFCT法を導入した。これを用いて、ボイド領域と水との境界に生ずる不連続面の伝播、およびテーパノズル内の流れの数値解を求めた。実験では、開口面積比1/4と1/16のテーパノズル、円筒ノズルを用い、これにピストンの衝突によって得られる約100MPaの衝撃圧を入射させて、流速200〜300m/sの非定常噴流を発生させた。そしてピストン入射速度、ノズル内の圧力、噴流の速度および衝撃力を測定し、計算値と比較した、圧力および衝撃力の測定には水晶圧電素子を用いた。その結果、以下のような事実が判明した。(1)パルスレーザ光では通常のXeフラッシュ光による撮影よりも輪郭の明瞭な画像が得られ、発生初期の空気中噴流がノズル出口直後で球状で膨らむ。この部分は、高エネルギーのレーザ光を透過しないことから粒度の細かい水滴が密集しているものと考えられる。(2)FCT法による数値解は、圧力波形の実験値とよく一致する。特にノズル内の不連続面について、伝播速度が水の音速の約30%程度まで安定な数値解が得られ、従来の2段階ラックスヴェンドロフ法よりも優れている。(3)物体に及ぼす噴流の衝撃力のオーダー近いことがわかった。平成元年度は引き続き、ホログラフィの撮影法を改良し、新たに噴流の数値解析にも着手して、噴流挙動の詳細を明らかにする。
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