研究課題/領域番号 |
62460100
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
熱工学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤井 照重 神戸大学, 工学部, 教授 (70031143)
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研究分担者 |
太田 淳一 神戸大学, 大学院自然科学研究科, 助手 (20168941)
竹中 信幸 神戸大学, 工学部, 助手 (50171658)
赤川 浩爾 龍谷大学, 理工学研究所, 教授 (30031032)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 省エネルギ / 地熱 / ノズル性能 / 気液二相流 / 熱力学的非平衡 / 減圧沸騰 / ノズル設計 / 臨界流量 |
研究概要 |
入口サブクール熱水が流入し減圧沸騰する場合のノズル性能低下の一原因として、ノズルのど部近傍の熱力学的非平衡現象がノズル性能特性に重大な影響を及ぼすことが明らかになった。即ち、ノズルのど部の熱力学的非平衡の程度が、ノズル臨界流量、ノズル内圧力分布、ノズル推力、ノズル推力係数に大きな影響を及ぼすことが分かった。その熱力学的非平衡の程度が大きくなると、フラッシングの開始が遅れ、ノズル内で液滴が十分に加速されず、気液二相流の速度の均質化に悪影響を及ぼす。従ってノズルのど部での熱力学的非平衡の程度の減少がノズル性能向上にとって最初に取り組むべき課題と考えた。 本研究では、まず改良前の従来のノズル性能特性について詳細に調べ、ノズル固有の性能特性性およびノズル性能低下の原因を明らかにした。 次のノズル性能低下の一因となるノズルのど部の熱力学的非平衡の程度の減少のため、原子力発電所の仮想事故である冷却材喪失事故のブローダウン現象のアナロジーから減圧速度が低下すると熱力学的非平衡の程度が減少するという関係からそれをノズルに応用した。その様なノズルを試作し実験を行い、性能向上を示した。 さらにノズルのど部での熱力学的非平衡が生ずる現象は減圧沸騰開始の遅れであるという観点から、沸騰開始を促進するために、ノズルのど部上流に細線を設置し、その作り出す乱れを利用する方法を提案し、その効果を確認すると共に、この場合の最適なノズル出口断面積の一決定方法を提案した。 最後に、ノズル内の軸方向のボイド率(気相体積割合)分布の測定は、フラッシング(減圧沸騰)開始位置の決定に最も基礎的なデータとなり重要であり、この測定を本研究の場合に適した中性子ラディオグラフィで行うことを新しく試みた。
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