研究課題/領域番号 |
62460101
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研究機関 | 埼玉工業大学 |
研究代表者 |
鈴木 立之 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (20118665)
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研究分担者 |
小林 晋 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (10170325)
足立 孝 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (30118658)
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キーワード | 微粉体 / 衝撃波管 / 着火 / 着火遅れ時間 / 分散媒質 / 爆発 / 微粒子分散法 / 安全性 |
研究概要 |
近年新素材などの原料としての新機能・高機能粉体の開発の進展は目覚ましいものがあり、今後さらに多種類の粉体の出現が見込まれているが、その製造・輸送プロセスにおける安全に関する研究はあまり進んでいない。しかしながら、古典的な爆発理論によれば粉体はその特性として比表面積が非常に大きいため輸送媒体(空気など)中に分散した場合、予想も出来ないほど危険な可爆性を持ち得るため、粉体の製造・輸送プロセスにおける危険性評価システムの確立が非常に重要になってきている。そこで本研究では、特に大きな災害をもたらす製造・輸送プロセス中における粉体爆発現象に関する基礎的知見を得るために、衝撃波管を用いた粉塵爆発実験技術の確立、粉塵濃度計測技術の開発を行い、粉塵雲の着火限界・爆発限界、および堆積した粉体層と衝撃波との干渉機構について調べた。得られた主要な結果は次の通りである。1.粉塵雲形成装置を製作することにより、極めて均質に分散した粉塵雲をつくることが出来るようになった。2.粉塵粒子の分散状態と着火している粒子の同時撮影に成功した。これにより、粉塵雲の着火は群としてではなく、少数の粒子の着火から始まることが分った。3.各種の微小穀物粉(コ-ンスタ-チ、小麦粉、片栗粉、そば粉、さらしあん等)を用いた着火実験から、雰囲気温度に対する着火遅れ時間が求められた。これらのデ-タからみかけの活性化エネルギ-は殆ど同じであることが分った。またそれぞれ穀物粉の着火下限界温度、着火上限界温度も求められた。4.粉体輸送管路中の衝撃波と粉体層の干渉機構を知るために、粉塵層上およびモデル粉体層上の衝撃波の斜め反射実験を行った。その結果いずれの場合においても、反射衝撃波の構造は、滑らかな斜面上の反射とことなり、非定常に変化することが明らかになった。
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