研究分担者 |
佐藤 孝 北海道工業大学, 工学部, 教授 (90048025)
下妻 光夫 北海道大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (70041960)
佐藤 信安 北海道大学, 工学部, 助手 (20001290)
金子 良松 北海道大学, 工学部, 助手 (90001271)
酒井 洋輔 北海道大学, 工学部, 助教授 (20002199)
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研究概要 |
ベーパーミスト誘電体は, 適切なバッファーガス中の誘電液体をミスト状にして加えたもので, 小量の液体を用いて飛躍的に高い絶縁耐力を得る可能性が示された. 本研究はCーGIS等の電力機器絶縁にベーパーミスト誘電体を用いて, それを小形化, 高性能化するための可能性を見出すことを目的としている. 昭和62年度は, 直径5cmの標準球ギャップに対する絶縁破壊特性を測定しうるような放電チエンバー(ステンレス制容告積80l)を製作するとともに, これに直径5cmの球ギャップ(ギャップ長1cm迄可変)及びミスト発生器(三菱EVー800超音波方式;コンビヘルスAJ型吸入器方式;ノズル噴射器)ならびにパーティクルカウンター(リオンKCー01B, 設備備品として購入)をとりつけた. 測定はバッファーガスとして室内空気を用い, 誘電液体としてC_8F_<18>, (C_4F_9)_3N, C_8F_<16>Oを用いて行なった. 結果は, (1)いずれの誘電液体に対してもベーパーミスト誘電体の効果が明瞭に存在することを明らかにした. (2)ギャップ長が4mm付近では3種のミストとも空気の約2倍の絶縁耐力を示す. (3)ミスト停止後の破壊電圧の時間依存性を測定の結果, 60分後の破壊電圧は空気中の約1.8倍を維持しており, ミスト発生器のデューティーを著しく軽減しうる可能性がある, (4)粒径分布はC_8F_<18>ミストとC_8F_<16>Oミストでは0.5〜2.0μmの粒径よりは0.3〜0.5μmのものが多く, (C_4F_9)_3Nミストでは1.0〜2.0μmのものが多い.(5)超音波ミストによらなくても破壊電圧が上ることが示され, 超音波ミストとくらべミスト粒径分布が異ること, 破慧電圧の上昇も異ることが示された. 未年度の課題は, SF_6などの高絶縁耐力のバッファーガスに対してどのような効果を示すかを明らかにすること, 及びミストによる破壊電圧上昇のメカニズムを明らかにするとである.
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