研究課題/領域番号 |
62460116
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川辺 光央 筑波大学, 物質工学系, 教授 (80029446)
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研究分担者 |
升田 公三 筑波大学, 物質工学系, 教授 (90029405)
南日 康夫 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10133026)
横山 新 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80144880)
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キーワード | 超格子 / 多次元超格子 / 不純物拡散 / イオン注入 / 超格子混晶化 / フェルミレベルピン止め / AlGaAs |
研究概要 |
(AlGa)As超格子の混晶化を利用した超格子多次元化の方法として、混晶化促進物質(本研究ではSi)と混晶化抑制物質(本研究ではBe)の併用により急峻な超格子-混晶化領域の境界が得られることがわかった。混晶化抑制部分にBeをストライプ状に蒸着し、その上にマスクを付けてSiの選択イオン注入を行ない、Be拡散部分とSi注入部分を分離して、ストライプ状の超格子部分と混晶化部分の分離ができることがわかった。Be蒸着量は、混晶化抑制条件から1×10^<15>cm^<-2>必要であるが、熱処理によるBeの拡散で超格子結晶の劣化が心配される。フォトルミネッセンス(PL)測定の結果、Be蒸着後800℃、1.5時間の熱処理でもPLの劣化は認められなかった。 表面約1000A以内の超格子は不純物拡散によっても混晶化しないことがわかり、これは表面で超格子のパタ-ン化を行なう場合重要な問題である。この原因は、混晶化において重要な働きをしているGa空格子の濃度が、表面におけるフェルミレベルのピン止めによって十分大きくならないため表面でAlとGaの相互拡散が十分行なわれていないことによる。したがって、混晶化を用いた超格子の多次元化は、表面から少なくとも1000A以上離れた場所に埋め込んで行なう必要があることがわかった。 イオンビ-ムによる微細加工と表面空乏層を利用してGaAs量子細線を作製し、磁気抵抗のゆらぎおよびシュブニコフ・ドハ-ス振動の観測から、電気伝導機構にエッジ状態の考え方を導入して磁場による電気伝導機構の変化が説明できることを示した。
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