研究概要 |
都市の街路や高速道路の交通管理の高度化をはかり, さらに目的地に自動車を誘導したり走行中の自動車との通信連絡を行うことのできるシステムとして, 道路上に数十m^2程度の広さをもつ極小の通信ゾーンを縦続的に配置して道路と自動車との間で同一周波数のデイジタル通信を行うシステムを構想し, 次のように概念設計と方式の検討を行い, 応用についても検討した. 1, 極小ゾーン縦続配置形の概念設計 自動車と地上間の情報伝送について, 車両の位置, 速度など走行制御に関わるデータとその他の汎用データを想定し, 道路リンク中に長さ10m程度の通信ゾーンを多数配置し, 最初のゾーンで車両を識別して通信用トークンを付与するとともに経路誘導情報を伝達し, 2番目以降のゾーンで走行制御と汎用通信を行うこととした. また, 地上側ではリンク毎に置かれるRSS,地域毎に置かれるACS,全体の通信と交通管理を行うMCC,TCCなどで構成されるシステムを構想した. 2.結合・伝送方式の研究 送信周波数を2〜300KHz,伝送速度を9600bpsとし, 地上用及び車載用の路車間データ送受信装置各1式を計測制御用インタフェース装置を介して計算機に接続する実験システムを構成した. 模擬アンテナを介してデータ伝送実験を行い, 隣接ゾーン間での交信干渉によるビット誤り率を実測し, ゾーン間隔をほぼ10m以上とすればよいことを見出した. 3.接続制御方式の研究 多数の通信ゾーンに亘って自動車を追跡しつつ情報交換を行う接続制御方式を研究し, 車両がゾーン間を移動するのを待受けてポーリングを行う方式により良好な誤り率とスループットが得られること, 次ゾーンからデータ伝送を行う方式により許容応答時間を大幅に改善できることなどをシミュレーションによりあきらかにした.
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