研究課題/領域番号 |
62460125
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
鳥脇 純一郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (30023138)
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研究分担者 |
長谷川 純一 中京大学, 教養部, 助教授 (30126891)
鈴木 秀智 名古屋大学, 工学部, 助手 (20158976)
横井 茂樹 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20115744)
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キーワード | 胸部X線像 / 計算機診断 / デジタルX線像 / 肺がん / じん肺 / 画像認識画像理解 / 自動診断 |
研究概要 |
本年度は、主として実際の胸部X線像の処理手順に関する実験的検討を行い、これまでの基礎的方法論の成果の検証を行った。 (1)血管影の識別に於て、まず肺門部を検出したのち、それを中心とする楕円弧に依って肺領域を4つの領域に分割して、各領域毎にフィルタパラメータを変えた可変パラメータコントラストフィルタを適用することにより、従来と比べてはるかに細かい血管影まで抽出することができるようになった。 (2)これまでに開発した胸部X線像の自動スクリーニングシステムAISCRーV3が300×300画素の画像を対象としていたのに対して、これを600×600画素の画像まで扱えるように改造し、直接撮影像をディジタル化したものに適用して、機能を確認した。 (3)塵肺の計量診断のために、塵肺小円形陰影を識別するフィルタを新たに考案して、各小円形陰影を識別できるようにした。この結果に基づいて塵肺陰影の密度を自動計測することができるようになり、さらにこれとパターン分類の組合せに依って塵肺症の密度分類が自動的に行えるようになった。ついで、このフィルタの大きさ(マスクサイズ)の大きさを調整した可変サイズフィルタの組合せに依って、塵肺症の密度分類、及び、サイズ分類を同時に自動的に行う手順を導いた。これらは、ILO国際標準フィルムに対して適用され、良好な結果を得た。 (4)同じく塵肺の計算機診断に於て、CT像を用いる実験を初めて行い、断層像に於ける塵肺小円形陰影が上記のフィルタに依ってある程度識別できることを確かめた。断層像においては個々の小円形陰影が分離して見える利点があるため、今後は、通常の単純撮影像との組合せ利用が期待される。
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