研究課題/領域番号 |
62460131
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 洋 東北大学, 工学部, 教授 (00005175)
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研究分担者 |
鈴木 勇次 山梨大学, 工学部, 講師 (70179266)
中村 僖良 東北大学, 工学部, 教授 (00005365)
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キーワード | 弾性表面波 / 擬似弾性表面波 / ラブ波型表面波 / 表面波共振子 / ラブ波型表面波共振子 / IDT共振子 / エネルギー閉じ込め型弾性表面波共振子 |
研究概要 |
弾性表面波を利用したSAWデバイスの広帯域化、小型化、低損失化を達成するためには、電気機会結合係数K^2の大きな基板が必要になる。本研究者は、擬似弾性表面波を伝搬減衰のないラブ波型表面波にすることにより、K^2が30%以上のなる表面波基板を見出した。本研究では、まず金、銀などのストリップ電極を周期的に設けるだけで高結合なラブ波型表面神を簡単に実現できることに着目し、その為の諸条件を明らかにする。さらに、これをSAWデバイスに応用し、その飛躍的な広帯域化、小型化、低損失化の達成を目指し、設計・作製方法を確立することを目的とする。本年度は、以下に述べるような研究成果を得た。 1.金属周期ストリップ列下を伝搬する擬似弾性表面波の分散特性の、ストリップ膜厚と基板の切断角θ依存性に対する近似解析法を確立した。2.2種の周波数上昇型エネルギー閉じ込めSAW共振子を試作した(1)いずれのSAW共振子の容量比も3から5程度と従来のSAW共振子の1/10から1/20以下の値で、極めて広帯域だった。またそのQはその膜厚が波超λの3.1%から3.4%の時に反射器本数がわずか20本で、約700に達した。(2)QARP構造の周波数上昇型エネルギー閉じ込めSAW共振子の周辺数温度特性を測定した。電極材質に金を用いる場合、その膜厚が波長λの1.3%から3.1%の範囲では、周波数温度係数は-110ppm/℃±20ppm/℃の間にある。電極材質に銀を用いた場合と金の場合とを単純に比較するとその膜厚が共に波長λの3.1%の時には銀の方が良い周波数温度係数を有した。3.反射器キャビティを共有するためにIDTを分散配置した、直列容量付加型2端子対共振子を試作した。低挿入損であることは確かめたが良好な特性を得るには至らなかった。
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