研究課題/領域番号 |
62460134
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
作田 共平 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (60143814)
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研究分担者 |
上林 利生 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20111669)
飯田 誠之 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (90126467)
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キーワード | 半導体光増幅器 / 分布帰還型光増幅器 / 屈折率グレーティング |
研究概要 |
コヒレント光を半導体レーザ活性層近くに照射して、それにより生じた屈折率グレーティングを分布帰還ミラーとして用いる中心波長が可変な半導体レーザ増幅器を理論的及び実験的に検討することを目的とした。 この増幅波長の可変は増幅器に照射する入射光の角度を変え干渉縞間隔を変化させるので、その可変範囲は広くGaAsの利得域(約20nm)全体を利用することができる。従って注入電流可変型のものと比べて波長可変範囲を広くとることができる利点がある。この素子に関して理論的に実現可能なことを示した。これを実証するための実験も平行して行なっているが目下のところ成功していない。その理由として幾つかあげられるが、まず屈折率グレーティング発生用の光パワーを2〜3倍に増加することが必要である。理論的にパワー密度として数ワット/cm^2が必要であるが、現在の光源では1W/cm^2程度なので、これを円筒型レンズを用いて活性層近傍に絞り込み、干渉縞のパワー密度を増加させること等が考えられる。 理論的な解析としては光照射によるGaAsの屈折率変化をレート方程式を用いて周期的光密度変化によるキャリア分布と周期静電界を数値解析により求めた。その結果GaAs結晶に生ずる屈折率グレーティングはプラズマ効果や1次電気光学効果、またはバンド端吸収効果によるものであり、GaAsの吸収端近傍の波長で干渉縞を発生させることによってバンド端吸収効果のため振幅の大きな屈折率グレーティングが得られることが分かった。さらにこのグレーティングから得られる導波路中を互いに逆方向に伝搬する2つの波の結合係数Xを求めた。この結合係数から増幅器の回折効率を求めた。その結果1%程度の屈折率変調量があれば増幅器媒体の吸収端より10nm以上長波長側の光で干渉縞を発生させれば活性導波路中心から20nm程度まで有効な回折効率が得られる。
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