研究課題/領域番号 |
62460135
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
鹿野 哲生 信州大学, 工学部, 教授 (40006218)
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研究分担者 |
斉藤 保典 信州大学, 工学部, 助手 (40135166)
野村 彰夫 信州大学, 工学部, 助教授 (00115362)
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キーワード | 色素レーザ / 窒素レーザ / 多波長同時発振 / 3原色同時レーザ発振 |
研究概要 |
62年度の研究の継続として、新たに整備した実験装置を用い、同時多波長発振(3波長まで)並びに混合色素系の色素の組み合わせ(2および3種類)に関する基礎研究を行った。多波長発生のための色素励起用紫外域レーザ光源としては、62年度に試作発表した高効率LC反転型窒素レーザ(総効率0.18%,4.6mJ)を使用した。光源についてはこれと並行して、窒素気流が光路と直交する型の窒素レーザの試作を行い、同規模の並行型と比較し、2倍の出力を得ている(米国J.Appl.Phys.誌1988年に発表)。色素レーザの同時多波長発生に関する基礎研究として、エネルギー移動の可能性につき理論的予測を行うとともに、2ないし3種類の混合色素系の発振実験を行った。色素は青色領域のC460、緑領域のDisodium Fluorescein、赤色領域のNile Bleuを用いた。混合実験に先立ち、それぞれ単独での最適濃度の導出のため、利得計算および実験値との比較を行い、発光強度が最大になる濃度および発振闘値濃度を明確にした。混合色素系では、色素の種類により発振闘値(単独)の低下が確認された(例えばDF色素単独での2×10^<-4>が6.5×10^<-5>mol/lに低下など)。これはエネルギー移動が効率良く行れていることを示す。発振波長の濃度依存性に関し、2〜3種色素濃度についての理論計算および実験結果を明示したが、これは2種混合色素系では組み合の如何にかかわらず、青と緑、緑と赤、赤と青の領域で3波長同時発振が生ずることを実証するものである。3種混合色素系では、完全な全領域での3原色同時レーザ発振までには達しなかったが、長波長域の一部を除いた可視光域で3波長同時発振が得られるなど期待通りの成果が得られた。これらの成果は論文誌(分光研究1988年)に発表した。高励起エネルギー化による完全な3原色同時発振、また研究中観測された第3のスペクトルの発生の機構の解明など今後の課題である。
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