研究概要 |
本研究は,光集積情報読み取りデバイスの構成法の考案,理論設計,試作および実験による特性評価と可能性実証を目的としたものである. 本年度得られた成果は以下のとうりである. 1.集光グレーティングを中心とした各素子の詳細な理論解析を行ない,その特性を明らかにするとともに,設計法を確立した, また, 作製誤差が収差などの特性に与える影響について理論的に検討し,許容作製誤差を明らかにした. 2.読み出し専用光ディスクのための,情報読み出し. トラッキング/フォーカシング誤差検出が可能な光集積読み出しデバイスを設計し,電子ビーム直接描画,ドライエッチング,半導体レーザ結合などのプロセスによりプロトタイプのデバイスを実際に作製し,実験によりその特性を測定・評価した. 3.上記試作デバイスを外部電子回路およびアクチュエータと組み合せてフォーカスサーボ機構を構成し,模擬実験によりオートフォーカス動作,信号読み出しの基本的動作を確認した. 4.書き換え可能な光メモリである光磁気ディスクのための読み取りデバイスとして,光磁気効果に上る微小な偏光回転を差動法で高感度に検出するとともにトラッキング/フォーカシング誤差を検出できる集積化デバイスの構成を新たに提案した. 5.上記デバイスのプロトタイプを設計・試作し,実験により偏光回転の差動検出が可能なことを実証した. 6.将来の記憶密度向上に必要な光源の集積化に関して,有機非線形光学結晶を用いた光第2高調波発生デバイスの基礎的な検康を開始した.
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