研究概要 |
昭和62年度は, エキシマの発光効率の最適化, 発光エネルギーおよび発光パルス時間幅に関する研究を実施し, 次のような成果を得た. 1.エキシマ放電中の電子のボルツマン輸送方程式, 化学反応および光子のレート方程式から成るコンピュータ・コードを用いて, XeCl,KrF, ArF等の最も発光効率の高い動作条件を明らかにした. 2.(1)に基づいて, エキシマ放電管を試作し, 7段のパルス成形回路で放電を駆動し, 発光スペクトル, 発光パルス幅および発光効率を測定した. 3.縦形放電管にF_2/Kr/He=0.1/7.5/92.4(%)の75Torrの混合ガスを封入し放電を印加すると, 最大パルス幅2.5μsecの248nmのKrFエキシマ発光を得た. 発光効率は5%であった. F_2濃度を0.1%から1.5%に増加すると, KrFエキシマ発光パルス幅は1.4μsecから0.5μsecと減少した. 4.コンピュータ・シミュレーションから, 発光パルスの前半部分は中性のKrF生成反応から, 後半部分はイオン反応から生成されていることが判明した. 5.F_2濃度を増大すると, 低エネルギー電子が減少し, イオンチャンネルの割合が低下し, その結果, 中性反応の割合が増大しパルス幅は減少することが判明した. 6.2・45GHzのマイクロ波放電励起装置によるエキシマ放電を実現し, 基礎特性を明らかにする実験を実施している.
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