研究課題/領域番号 |
62460138
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
斉藤 義明 新潟大学, 工学部, 教授 (70018480)
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研究分担者 |
堀 潤一 新潟大学, 工学部, 助手 (80209262)
木竜 徹 新潟大学, 工学部, 助教授 (80115021)
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キーワード | 無電池式センサ / 体内植込み型 / 多点温度測定 / パラメトロン回路 / 水晶温度センサ / テレメータ / 高周波加温 |
研究概要 |
本年度は先ず昨年度動作原理を確認できた多チャンネル測定装置の安定化について検討した。回路の変更、アナログ、デジタル回路が同居する場合の実装技術の検討の結果、再現性ある装置とする事が出来た。次ぎに、ハイパーサーミア用加温機で加温中のファントムの中での誤動作の問題を検討し、500Wでの加温中でも誤動作しないようにする事が出来た。 これ迄のセンサは測定部位から皮下までリード線を引伸す必要があったが、臨床家の立場からはリード線を無くして欲しいとの新たな要求が出された。そこで更にセンサを検討しリード線を無くす可能性について研究を行なった。従来の方式では測定可能距離が短く実用にならない。従って、生体内外での情報交換の方式を変更する必要があった。そしてパラメトロンの原理を導入し、新しいテレメータ方式を確立した。即ち、外部励振コイルより周波数fで励振すると生体内部に置かれたセンサでf/2の周波数の発振が生ずる。これを外部に置かれた受信機で確認する。ただ、この発振周波数は不安定で、発振可能範囲も広いので温度測定には使用できてない。そこで、パラメトロン回路に温度依存性を有する水晶振動子を挿入し、発振周波数を水晶振動子で制御してやる事に成功した。更に、種々の回路について検討し、約半分の部品数でも前述の事が可能であることを確認した。小型化に付いても検討した。そして、3チャネル分のセンサを作製し、外部回路よりそれぞれの信号を区別して測定できる事を確認した。5MHz台で60KHz以上離れていれば十分に区別して測定する事が出来た。この事より多点温度測定が可能であると判断した。以上の事より本研究の目的は達せられたと判断する。 今後の課題としては、今年度後半の研究について、測定可能な距離を20cm位迄伸す事、実際に測定装置を製作しその性能評価を行なう事、動物実験にてセンサ及び装置の動作確認を行なう事等が挙げられる。
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