研究課題/領域番号 |
62460139
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
児玉 慎三 大阪大学, 工学部, 教授 (50028990)
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研究分担者 |
太田 快人 大阪大学, 工学部, 助手 (30160518)
前田 肇 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029535)
須田 信英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029410)
熊谷 貞俊 大阪大学, 大型計算機センター, 教授 (10093410)
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キーワード | ペトリネット / 自律分散システム / FMS / CIM / 並行システム / 非同期分散システム |
研究概要 |
本研究の最終年度にあたり、過去2ケ年に渉る基礎研究で得られた成果を整理、公表するとともに実システムへの応用としてフレキシブル生産工場での自動搬送システムのスケジュ-リング制御、シ-ケンス制御プログラムの自動生成ソフトウェアの構築ツ-ル等を開発した。具体的には、非同期システムでの並行動作における資源専有の尺度として公平性の概念を定量化し、あるクラスについてその算定法を提案した。また、並行システムの制御における重要な基本問題である可到達性に関し、応用上主要なネットクラスである自由選択ネットについてその必要十分条件を多項式オ-ダで判定可能な形で導出することができた。これらの理論的成果は、並行システムシミュレ-タとして開発済のPCSSの機能拡張にとり入れられ、例えばネット分解手順によるネット構造の判定規則、活性判定のためのインバリアント計算アルゴリズム、階層表現とそのシミュレ-ション、ト-クン属性を付加した色付ペトリネットとそのシミュレ-ション等の機能がPCSSに追加され、応用範囲が拡げられた。また、いくつかの企業研究グル-プとの共同により、フレキシブル生産を目ざした自動化工場における自動搬送システムの設計・制御ソフトウェアやシ-ケンス制御プログラム(ラダ-ダイアグラム)を自動生成するシステムの試作を行い、実工場における運用テストを実施した。本研究で得られた知見は上記のように生産システムのフレキシブルな運用・保守・変更を可能とする制御プログラムの開発環境を構築するための基盤を与えるものであり、将来のCIM、FMS実現に大きく寄与するものと期待している。
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