研究課題/領域番号 |
62460139
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
児玉 慎三 大阪大学, 工学部, 教授 (50028990)
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研究分担者 |
太田 快人 大阪大学, 工学部, 助手 (30160518)
前田 肇 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029535)
須田 信英 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (60029410)
熊谷 貞俊 大阪大学, 大型計算機センタ, 教授 (10093410)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1989
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キーワード | ペトリネット / 自律分散システム / FMS / CIM / 並行システム / 非同期分散システム |
研究概要 |
フレキシブル生産システムの階層的自律散制御機構を表現能力に優れたペトリネットを用いてモデル化、検証、シミュレ-ション,更には実時間制御のためのコントロ-ラ構築まで一貫してネット理論の枠組の中で行う体系的な設計手法確立のため本研究では、まず理論的基礎として階層表現における活性の保存性について検討を加えた。その結果、各層でのネットモデルにおけるwell-behavednessの条件が明らかとなり、活性検証の有力な手法が見出された。また並行事象間の独立性の尺度として公平性の概念を導入し、資源有効利用のための最適資源配置に指針を与える公平度算定法が提案された。事故復旧動作の時間的上限を与える離散事象システムでの過渡応答時間の見積もりや、ショップスケジュ-リングでの重み付時間最適化等の問題に対してもネット理論的アプロ-チを試み、その具体的アルゴリズムを提案している。また、ネット解析に重要な役割を果たすインバリアントの算定法についても、限られたクラスではあるが、色付ペトリネットも含めてその構造的決定手順を明らかにした。最後に制御問題の基本であるネットモデルにおける可到達性を検討し、応用上重要なサブクラスである自由選択ネットにおける可到達判定のための効率の良い必要十分条件が得られた。以上理論的知見は並行システムシュミレ-タPCSSの機能拡充にとり入れられ、現在。PCSSは階層ネット、色付ネットの動作解析を行う実用的なツ-ルとして強化されている。応用上の検討としては、OSIプロトコルの一部であるHOLCのネットモデルおよびその検証手法を提案することにより、将来の自律分散プロトコルの自動設計のための指針が与えられた。また、自動搬送車誘導のためのスケジュ-リングシステムや、FMSでの分散シ-ケンスコントロ-ルを実現するためのプログラム開発環境整備についてもその基盤が固められた。
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