研究分担者 |
今井 正和 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (60193653)
佐藤 宏介 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (90187188)
千原 国宏 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (80029561)
豊田 順一 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00029456)
難波 精一郎 大阪大学, 教養部, 教授 (40029616)
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研究概要 |
本研究は感性の計測とそのヒューマンインターフェイスへの応用が目的であるが,本年度は特に感性の計測に重点をおいて研究を行なった. 音声・楽音の分析と美しさの尺度については,ソロ演奏のピアノ曲(ここではいわゆるニューエイジミュージック)を対象として行なった. 過去の研究成果である楽音分析プログラムを用いてピアノ曲の分析を行なう. この結果は数値データであるが,楽曲のリズムに関する音楽的知識を用いて,シンボル表現する. このシンボル表現された楽曲に対してさらに音楽的知識を適用することにより,従来は非常に難しいとされていたメロディ(主旋律)とコード(和音,伴奏)の分離を行なうことに成功した. このコードの進行から,最終的な目的の一つである感性の計測を試みた. 音楽においては,伴奏のコード進行に含まれている感性情報は少なくない. コード進行が表わす感性情報を経験的にまとめ,小規模ではあるが感性ベースを構築した. この感性ベースを実際のピアノ演奏から抽出されたコード進行に適用しその評価を行なった. その結果,人間が楽曲を聴取して得る感性情報と同じものが抽出され,計算機で感性を計測することが可能であることを示すことができた. 文字の美しさの記述に関しては,生徒がタブレット上に書いた文字に対して,習字の教師が与えるような美しい文字とするためのサジェスチョンと同様なものを提示するシステムの開発に取り組んだ. 画像の美しさに関する研究については,画像の美しさを支配する重要な要素として色に注目し,カラー画像処理に関して考察・検討を行なった. ヒューマンインターフェイスへの応用については,計算機がどのような出力を与えれば人間が抵抗なく受容できるかを考察した. 今後,計測された感性の表現法とそのヒューマンインターフェイスへの応用について研究を進める予定である.
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