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1989 年度 実績報告書

筋運動制御機構の動的解析と義肢制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 62460142
研究機関広島大学

研究代表者

伊藤 宏司  広島大学, 工学部, 助教授 (30023310)

研究分担者 辻 敏夫  広島大学, 工学部, 助手 (90179995)
森本 正治  労災リハビリテーション工学センター, 研究部長
翁長 健治  広島大学, 工学部, 教授 (90029869)
キーワード生体運動系 / 運動制御 / 運動インピ-ダンス / 運動プラン / 運動スキ-マ / 冗長ア-ム / 義肢制御 / 人間ー義肢系
研究概要

我々は筋を収縮させることによって関節を回転し、手先や道具を空間内で位置決めする。あるいは、筋力を制御することにより関節トルクを生成し、対象物に加える手先の力・モ-メントを決定する。このように、身体の運動は作業(手先)、関節、筋の三つのレベルで制御されている。したがって、作業空間の運動を実現するためには、作業空間、関節空間、筋空間の間で、運動および力の変換が必要になる。さらに、筋骨格系は手先の自由度に対して冗長な構造になっている。ここでは、筋骨格系の冗長性および力学的特徴に基づいて、作業・関節・筋の各空間における運動・力・インピ-ダンスの表現を与え、次に運動インピ-ダンスを反映した冗長ア-ムの逆運動学間題、および筋の冗長性が手先操作性に果たす役割ついて解析した。
次いで、これらを冗長マニピュレ-タに応用し、手先だけでなく、関節のインピ-ダンスを作業目的に応じて設定する理論的手法を求めた。また、運動インピ-ダンス調節の例として、回転作業を取り上げ、作業目的に応じた手先インピ-ダンスを実現するために、ヒトが筋の可変粘弾性と伸張反射系を巧みに調節して、関節レベルのインピ-ダンスを制御していることを示した。
さらに、生体の運動制御系の中で最も下位のレベルにある筋および脊髄反射系を取り上げた。筋は生体のアクチュエ-タであると同時に、粘弾性可変の制御機構でもある。また、脊髄は上位中枢からの運動指令を中継して筋骨格系を駆動するとともに、各種受容器から運動に関するフィ-ドバック情報を受け取り、さまざまな反射回路を構成する。そこでは、反射プログラム、および反射適応という考え方が成り立つことを示し、筋の可変粘弾性と伸張反射系のモデル解析を通して、運動制御における両者の役割について解析した。

  • 研究成果

    (13件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (13件)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "筋電操作ー電気刺激フィ-ドバック型マン・マシン制御系の動特性" 計測自動制御学会論文集. 24. 292-299 (1988)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "筋運動制御系のインピ-ダンス調節機構と手先操作性" 計測自動制御学会論文集. 24. 385-392 (1988)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "冗長性を有する上肢多自由度運動におけるインピ-ダンス変換" 電気学会論文誌. 108ーC. 471-477 (1988)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "構造化ニュ-ラルネットによる運動スキ-マの構成" 電子情報通信学会論文誌. J72ーDーII. 1508-1516 (1989)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "神経回路網によるマニピュレ-タの能動的重力補償" 電子情報通信学会論文誌. J73ーDーII. 243-249 (1990)

  • [文献書誌] 伊藤宏司: "回転作業における生体運動系のインピ-ダンス調節" 計測自動制御学会論文集. 26. (1990)

  • [文献書誌] 辻敏夫: "冗長性を利用したマニピュレ-タの関節インピ-ダンス調節" 計測自動制御学会論文集. 26. (1990)

  • [文献書誌] 伊藤宏司: "三次元運動解析システムと束縛動作への応用" バイオメカニズム. 10. (1990)

  • [文献書誌] T.Tsuji: "Identification and Regulation of Mechanical Impedance for Force Control of Robot Manipulators" Proceedings of 11 th IFAC. (1990)

  • [文献書誌] T.Tsuji: "Multi-point Compliance Control for Redundant Manipulators" 2nd Int.Workshop,on Advances in Robot Kinematics.(1990)

  • [文献書誌] T.Tsuji: "Trajectory Generation for Redundant Manipulators Using Virtual Arms." Int.Conf.on Automation,Robotics and Computer Vision.(1990)

  • [文献書誌] T.Tsuji: "A Hierarchical Collision-Free Path Planning for Redundant Manipulators based on Virtual Arms." IEEE Workshop on Intelligent Motion Control.(1990)

  • [文献書誌] 伊藤宏司: "生体とロボットにおける運動制御" 計測自動制御学会, (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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