研究概要 |
1.基本物体で構成される複雑な物体の特徴量の抽出と記述法の開発に関し物体構成面の法線ベクトル値を一つの特徴量とし,この特徴量の変化量に着目して構成面をその特徴に応じて分割する方法について検討した. 法線ベクトルの計測値には雑音が含まれるため,スムージングや適切なウインドウによる平均化処理が必要である. 均一の性質を示す曲面を核領域として検出し, この核領域を順次併合することで構成面を抽出するための効率的なアルゴリズムを開発した. また,複数個の面と稜線とで構成される複雑な物体を記述するために,画像データを六角形格子で表現し,七分木で階層化する新しい物体モデル化の手法を提案し,実験により本手法が物体の同定・識別に有効であることを確認した. 2.距離情報と面の傾き情報の結合による物体の局所モデルの構成に関しては,CCDカメラと電動ズームレンズよりなる両眼立体視システムを製作し, 法線ベクトル値を利用した両眼視の対応点決定法を提案し,具体的なアルゴリズムを開発した. 即ち,対象物体が完全拡散面で構成される場合には,異なる三方向よりの光源で照射した時の輝度の比がそれぞれ等しくなる面上の点を両方のカメラ上で探索すれば,それぞれの点における法線ベクトル値は等しくなる. この情報と視線像等に関する情報から対応点の決定が可能である. また非完全拡散面に対する反復法を利用した決定法を導出した. 3.組立作業を対象とした構成部品の属性の記述法と利用法の検討に関しては,簡単な組付け作業を例とし,オブジェクトの構成法と各オブジェクトのクラス分類法,属性やメソッドの定義の仕方,メッセージ交換法とプログラミングの仕方などを研究し,プログラミングシステムを構成した. 複雑な作業の場合には,結合部品を新しいオブジェクトに定義する時の属性メソッドの継承に関し,検計が必要である.
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