研究課題/領域番号 |
62460145
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
船舶構造・建造
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
矢尾 哲也 広島大学, 工学部, 教授 (20029284)
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研究分担者 |
田中 一雅 大島商船工業高等専門学校, 情報工学科, 教授 (10034422)
道本 順一 広島大学, 工学部, 助教授 (80106806)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 連成振動 / ばら積貨物船 / トップサイドタンク |
研究概要 |
ばら積貨物船のトップサイドタンクの振動が大きくなり問題となった例がいくつか報告されている。そこで、本研究では、ばら積貨物船を主船体、船底とトップサイドタンクの3つの構造に分けて、主船体はチモシエンコ梁、船底は直交異方性板、そしてトップサイドタンクは曲げとねじりを受ける梁にモデル化して、それらの連成影響を考慮して固有振動を解析する方法を提案した。そして、計算法の精度の確認と全体の連成振動に及ぼすトップサイドタンクの振動の影響を調べる目的で模型実験を行った。その結果、トップサイドタンクも含めた連成振動として取り扱う方が実験結果との一致も良いことが明らかになり、計算法の精度も確認できた。しかし、その計算法を用いて、トップサイドタンクの振動が問題となった実船の振動を計算したが、実船で見られたようなトップサイドタンクの振動が特に大きくなる固有振動は計算されなかった。それは、サンブナンの理論によりトップサイドタンクのねじり剛性を求めているため、その固有振動数が大きくなりすぎていることが原因であると考えた。そこで、トップサイドタンクのような薄肉の閉断面梁の断面変形の影響を考えた固有振動計算プログラムを開発して、計算精度の確認とサンブナンの理論を適用して求めた固有振動と比較した。その結果、本計算法の結果は模型実験結果および有限要素法を用いて計算した結果に良く一致しており計算精度を確認できた。また、サンブナンの理論を適用して求めた固有振動数は断面変形の影響を考慮して求めた値より一般的に高くなることが明らかになった。最後に、実船のトップサイドタンクに対して、断面変形の影響を考えた固有振動数を求め、それと等価になるトップサイドタンクのねじり剛性および極慣性モーメントを求めて連成振動を計算した。その結果、高次振動において、トップサイドタンクが主として振動する固有振動が計算された。
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