研究概要 |
本研究に先立ち,主として日本国内で建造された貨物船4船種620隻余りの船型要素を整理,集約し,船種ごとの平均的な価を求めた. 本研究では,まずその成果を用いて,一般貨物船,ばら積貨物船,自動車専用運搬船およびコンテナ船の代表的な大きさごとに合計13隻について,それらの平均的な船型及び航海速力を設定した. そして,それらの貨物船が日本ー北米間の大圏航路を往復するものと想定し,船舶技術研究所と日本造船研究協会との共同研究としてまとめられた"北太平洋の風と波の統計図表"を用いて,それらの船の受ける風荷重と波浪中抵抗増加の統計的な予測を行った. さらに,これらの結果とシーマージンの関係を考察した. 一方,荒天時に航行不能に陥った船舶の航海記録を分析し,操船不能のパターン化,要因分析を行い,問題点を探った. これらの結果,大型の自動車専用運搬船などのように,船の排水量に比べて風圧面積が大きく,主機出力の小さい低速船では,風荷重が船速低下に大きく影響することなどが分かった.
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