研究概要 |
本研究は, 超長大支間橋梁形式の中で, とくに風に対する動的安定性に着目し, フラッタ・渦励振・バフェッティング等の各種空力不安定現象に対し優れた安定性を示す上部工形式を実験的に求めることを目的としている. すなわち, 風による非定常空気力を軽減する流体力学的に安定な桁断面形状の選定および桁全体の剛性を増加させる構造形式を対象とした風に対する安全性評価を主目的とし, 前者については自然強風の特性を明らかにするとともに, 種々の空力弾性現象の発生機構とその耐風対策について検討を加え, 後者については超長大橋梁に適した構造形式策定に際し, 克服しなければならない問題点を既存の橋梁形式と比較しながら抽出した後, 力学的構造特性をも含めた形でその耐風性に考察を加えるとともに風の対する安全性評価を試みることを具体的研究項目に挙げている. 本研究ではとくに, 構造基本断面の非定常空力特性に焦点をあて, 各種変動気流中における, 構造基本断面の空力特性の変化をさぐり, 自然風の乱れ成分が, 橋梁構造物上部工の空力特性に対して及ぼす影響について調査を行なった. また, 一部ケーブル構造物の耐風性にも検討を加え, 各種振動現象のメカニズムに検討を加えた. 超長大橋梁構造物の風に対する安全性評価は, 上部工形式選定のうえで重要であるが, 本研究では, 自然強風諸特性, 構造形式, 空力特性等を考慮した, 長大橋梁安全性評価法の提案を試みた.
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