研究課題/領域番号 |
62460149
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
白石 成人 京都大学, 工学部, 教授 (40025903)
|
研究分担者 |
白土 博通 京都大学, 工学部, 助手 (70150323)
古田 均 京都大学, 工学部, 講師 (70109031)
松本 勝 京都大学, 工学部, 助教授 (00026270)
光田 寧 京都大学, 防災研究所, 教授 (90027219)
|
キーワード | 超長大橋梁 / 耐風動的安定性 / 自然風特性 / 破壊確率 / 疲労破壊 / フラッター / 渦励振 / 台風係数 |
研究概要 |
超長大橋梁においては、上部構造の風に対する動的安定性の確保が設計上大きな問題となる。その際、橋梁架設地点の自然風特性の把握とそれにより生じる空力挙動の的確な評価が必要とされる。 本研究では、昭和62年度に、橋梁構造物の空力挙動に対する安全性評価について破壊確率という定量的な指標を用い、フラッターによる初通過破壊を対象にした破壊確率を検討した。また、渦励振に対しても簡単な検討を試みた。昭和63年度には、引続き渦励振とバフェッティングを同時に考慮した破壊確率を検討すると共に、疲労破壊評価のための累積疲労損傷度についても考察した。さらに、橋梁架設地点の自然風評価に関し、橋梁構造物の空力挙動と現地自然風特性の両者に風向依存性が強いことから、風向別の強風と通常風風速特性の推定を行った。 これより、同一モデル強風下における長大吊橋7橋を対象にフラッターによる破壊確率を算定した結果、鉄道道路併用橋では弦材のウエブ厚やフランジ厚が大きく、他の橋梁比べ安全側に設計されている結果を得た。また、箱桁橋を対象に、風洞実験で求められた振動応答特性をベースにして、渦励振とバフェッティングを同時に考慮した破壊確率を求める手法を提案すると共に、例として試算したケースでは、破壊確率は1次モードの渦励振に主に支配されるという結果を得た。また、破壊確率は材料強度に極めて敏感であることも明らかになった。一方、強風予測に関しては、全国気象官署133地点において15年間の定時風観測記録を用い、高風速域を評価したWEIBULLパラメータを求め直し、台風係数を算定、台風係数地域区分図を作成した。 以上の研究成果は、自然風の特性とそれに対する構造物の安全性評価に対する一つの提案であり、超長大橋梁の動的耐風安定性を検討する上で有益な資料になるものと考えられる。
|