研究分担者 |
岩井 哲 京都大学, 防災研究所, 助手 (60184850)
杉戸 真太 京都大学, 工学部, 助手 (60115863)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00027294)
入倉 孝次郎 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10027253)
土岐 憲三 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027229)
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研究概要 |
本年度の研究成果を列挙すると以下のとおりである. 1.確率論的地震危険度解析の手法と非定常地震動予測モデルを結合し,すべてのモデルパラメータを確率論的に決定する手法を開発した. 具体的には,まず地震危険度解析の結果得られるハザード曲線において構造物の耐用年数に応じた年超過確率P_0を設定し,強度パラメータの値(r_0)を決定する. 継続時間やスペクトル特性など,強度以外のパラメータについては,地震動強度がr_0を上回るという条件により規定される地震群に対する条件付期待として算出するものである. 2.上の方法によって決定されたモデルパラレーターを用いて発生されるシミュレーション地震動を「リスク適合地震動」と定義した. 上にも述べたように,強度パラメータに対する年超過確率のみを設定すれば,「リスク適合地震動」の発生に必要なすべてのモデルパラメータを決定することができる. 3.1.と同様な手法により得られる,マグニチュード及び震央距離の条件付期待値を,「ハザード適合マグニチュード」,「ハザード適合震央距離」と定義した. これらは,解析対象地点に影響を及ぼす地震群の平均的な姿として具体的なイメージを与えるとともに,数多くのモデルパラメータを1次近似の形でごく簡便に算出する際に有効に用いられると考えられる. 4.具体的な数値解析例として,東京と大阪を解析対象地点に選び,地震危険確解析及び「リスク適合地震動」の発生を試みた. 標準的な地盤において,再現期間200年(年超過確率p_0=0.005)という場合の最大加速度は,東京で545gal,大阪で286galという結果になった.
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