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3年間行ってきた研究成果の概要をまとめると以下のようになる。
まず、新潟地震や日本海中部地震など、過去の地震時に液状化に起因してライフラインが被害を受けた例を調べた。そして、それをもとにライフライン、特に埋設管が液状化により被害を受けるメカニズムについて検討したところ、地震動継続中の動的変位のみならず、地震動終了後に発生する永久変位によっても被害を受けることが明らかにされた。
そこで、次に、永久変位発生のメカニズムおよびその解析方法について研究を行った。これには振動台を用いた模型実験を数多く行った。その結果、永久変位はある面ですべって生じるのではなく、液状化層のせん断変形によって生じることが明らかにされた。この考察にもとづいて、有限要素法を用いて永久変位を解析する手法を考案した。また、この解析には液状化にともなう変形係数の低減割合が必要なため、ベ-ンせん断試験および繰返しねじりせん断試験を行って、この値を求めた。試験の結果得られた値を解析に用い、新潟地震での事例を解析して、手法の妥当性を確かめた。
次に、動的変位や永久変位が発生する時点における、埋設管に対する地盤の拘束力について実験を行った。これには振動台にのせた模型地盤中に埋設管を設置し、液状化を生じさせたところで管を押し引きして拘束力を求めた。その結果、永久変位発生時点では拘束力は1/20程度にも減少することなどが明らかにされた。そこで、この値を利用し、応答変位法により、動的変位および永久変位発生時点での埋設管に加わる応力を試算してみた。その結果、どちらの時点で埋設管が破断するかは管種により異なることなどが明らかにされた。
これらをまとめて、地盤の液状化がライフラインに与える被害について総合的な評価を行った。
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