研究課題/領域番号 |
62460160
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
水工学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北浦 勝 金沢大学, 工学部, 教授 (70026269)
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研究分担者 |
宮島 昌克 金沢大学, 工学部, 助手 (70143881)
宇治橋 康行 金沢大学, 工学部, 助手 (60092764)
辻本 哲郎 金沢大学, 工学部, 助教授 (20115885)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 河口砂州 / 河川流砂 / 沿岸漂砂 / 岸沖方向漂砂 / 掃流砂量式 / 非平衡流砂 / 緩和過程 / 側岸侵食 |
研究概要 |
河口においてはしばしば河川流砂と海岸漂砂の相互作用により、河口砂州が発達・変形し、それが河川の洪水疎通能に大きく影響するため、河口砂州のこうした時間変形過程を適切に記述・予測するモデルが要求される。モデル構築のためには、河川流砂、海岸漂砂の運動機構を適確に把握する必要があるが、一般的にみて、比較的一次元的、定常的な河川流砂に比べ、海岸漂砂の簡便な表示が難しいし、その機構も必ずしも明解には明らかにされていない。そこで、まず、河口地形に最も貢献すると考えられる岸沖方向漂砂が実験的に調べられ、その向きはアーセル数によって支配されるものの量としては、シールズ数を用いて、ほぼ河川流砂と相似な関数形、すなわち、限界シールズ数を用い、シールズ数が充分大きい時はほぼその3/2乗で流砂量が増加する形で表現されることが明らかにされた。しかしながら波浪特性とシールズ数は、河川流量とシールズ数のように単純には結びつけられず、そのため、底面流速を媒介に、リニアフィルター法による関連づけの適用性を明らかにした。 上述のような基礎的知見をべースに、次に、河口砂州の変形特性を従来の現地河川実測資料をもとに調べ、とくに河口水深の大きい、そして導流堤のような付属構造物の無い場合では、側岸侵食型で現象が進行することを示し、これを簡略モデル化した一次元解析の基礎式を誘導した。河川、海岸流砂量関数の簡単な関数形を用い、基礎式が非線型ながら解析解の容易に得られる形まで近似表現した結果、いわゆる緩和過程を表わす式を得、一定の外力のもとでは、平衡河口断面が主要なパラメータとして集約できることを示した。これにもとづき、従来の現地河川実測資料より、平衡河口断面についての検討を行い、逆にそれを用いて河口砂州の変形モデルのパラメータを推測することができた。
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