研究課題/領域番号 |
62460161
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三井 宏 徳島大学, 工学部, 教授 (30035589)
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研究分担者 |
細井 由彦 徳島大学, 工業短期大学部, 助教授 (50127859)
村上 仁士 徳島大学, 工業短期大学部, 教授 (50027257)
中野 晋 徳島大学, 工学部, 講師 (50198157)
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キーワード | 波浪エネルギ- / 集波堤 / 透過性防波堤 / 潜堤 / 波浪制御 / 越波促進 / 海水交流 / 曝気 |
研究概要 |
反射による波浪エネルギ-の濃縮 前年度までに、越波量が多く、しかも波の通過率が小さい潜堤の高さを模型実験により求め、また、理論解析と模型実験によりV字型反射堤の集波特性を明らかにした。 これらの成果および波の共振理論を利用して設計した基本形状の模型について実験し、集波した入射波が導水路内に設置した潜堤を越波することにより発生する海水導入量を求めることができた。 さらに集波効率が良い反射堤の形状を探求するため、音響学におけるBessel hornに属する放物線型およびエクスポネンシャル・ホ-ン型(遮断周期を持つ特性がある)の反射堤について、模型実験により集波特性を調べた。その結果、最も集波効率が高いのは焦点が導水路内にある放物線型、次いでV字型および焦点が導水路入り口にある放物線型、最も効率が低いのは、遮断周期より短かい周期の入射波であったにも拘わらず、エクスポネンシャル・ホ-ン型反射堤であることが判明した。 防波堤の通水機能と消波特性 スリット型防波堤の前に潜堤を置き、波浪制御を行うとともに、海水交流、拡散・曝気を積極的に促進することを目的として、潜堤の天端水深、潜堤と透過堤の設置位置、スリットの開口比を変化させて模型実験を行った。その結果、潜堤の天端水深と入射波高の比が1.4程度のとき、両堤の間隔に関係なく消波機能が最も良くなることがわかった。また、潜堤の天端水深が浅くなると砕波し、両堤の間の遊水部で水位上昇が生じ、常時港内側へ一方向流が発生することを明らかにした。一方、先述の天端水深が入射波高の1.4程度の場合、遊水部に気泡を含む大きな鉛直渦が発生し、この場合も港内側への一方向流が生じ海水交流が促進されること、曝気効果も十分期待しうることを明らかにした。
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