研究課題/領域番号 |
62460163
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
寺島 泰 京都大学, 工学部, 教授 (50019717)
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研究分担者 |
尾崎 博明 京都大学, 工学部, 助手 (40135520)
石川 宗孝 京都大学, 工学部, 助手 (80101070)
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キーワード | 廃棄物処分 / 有害性化学物質 / 希土類元素 / 有機塩素化合物 / リスクアセスメント / 埋立地浸出水 / 埋立層内物質移動 |
研究概要 |
本年度の当該研究では、有機塩素化合物や重金属等の有害物質の埋立層内における移動と消失及びそれらを含む浸出水処理系における除去性能等を中心に検討を行った。 有害物質の埋立層内移動に関しては、前年度においても連続型モデル及び一部離散型モデルを用いた水量、水質予測について検討を加えた。本年度はこれをさらに発展させ、水みちを考慮した浸透と汚濁物輸送の離散型によるモデル化と、同モデルによる蒸発に伴う汚濁物の移動と表面濃縮現象の解析、さらには、間欠降雨下あるいは層厚が変化する、より実際的な埋立層からの水、汚濁物の浸出現象予測への本モデルの適用について研究し、比較的複雑な媒質や条件からなる現象にもかかわらず、室内実験結果を同モデルによりほどよく説明し得ることを示し得た。現在、より実際的降雨、蒸発条件下での埋立進行に伴う浸出水量水質を予測する方法についても検討を進めている。 浸出水中有機塩素化合物の処理系における挙動については、おもに好気あるいは嫌気性下で活性汚泥法による除去試験を行った。その結果、好気性下においては、曝気により有機塩素化合物の多くが飛散すると考えられ、また嫌気性下では、微生物による初期吸着が認められるほか、一部は微生物によって代謝分解されるものと推察された。なお、活性炭吸着や塩素消毒などの物理化学的な単位処理プロセスによる金属元素や有機塩素化合物等の除去性については文献調査・整理を終え、一部実験的な検討を進めているところである。また、製品や化学汚泥等からの有害物質の溶出とその影響因子については、関与する諸因子が複雑に作用しあうため、確定し得る十分な実験結果が得られていないが、まずPHや溶存酸素などの個々の条件についてはその影響度を把握すべく、実験検討を進めている。
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