研究課題/領域番号 |
62460166
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
時松 孝次 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50134846)
|
研究分担者 |
吉見 吉昭 清水建設株式会社, 技術研究所, 技術顧問 (90016329)
|
キーワード | 杭 / 砂地盤 / 液状化 / 曲げモーメント / 構造物 / 相互作用 / 地震 / 不規則波 / 振動台 / 振動実験 / せん断土層 / 数値解析 / 水平地盤圧力係数 |
研究概要 |
液状化過程における杭構造物地盤系の挙動を明らかにするため、大型せん断土槽を用いて、杭構造物地盤系の振動実験を行った。この際、地盤の密度、杭構造物系の固有周期、杭径、杭の曲げ鋼性等を変数とした。 実験結果に認められた、杭・構造物系の挙動は以下の通りである。 液状化の進行に伴って、地表面の加速度応答倍率のピークは、10H_2から1H_2へと変化し、これに伴って、鋼性の低い杭の加速度応答倍率も低周波数へ移行している。しかし、鋼性の高い杭では、液状化後地盤より高い固有振動数で振動している。この結果、杭頭変位は、鋼性の低い杭では液状化前後とも地盤変位にほぼ等しいが、鋼性の高い杭では、液状化後急激に小さくなっている。また、地表面付近に非液状化層がある場合、杭頭変位はつねに地盤変位と一致するため、全層の地盤が液状化する場合より杭に不利な強制変形が与えられる可能性がある。 実験結果を説明するため、液状化過程における杭の水平地盤反力係数のモデル化を行った。骨格曲線はROモデルで与え、有効応力の低下は初期鋼性を低下することにより再現した。 上記、杭の水平地盤反力係数モデルを組込んだ杭地盤構造物系の応答解析プログラムを作成し、上記実験結果と比較することにより、解析モデルの妥当性を検討した。解析上の各質点等を実験の測定点と一致させ、さらに地盤変位を解析モデルに強制変位として与えることにより、不確定要因を減少させ、解析と実験の比較を容易にさせた。 解析によって求められた、杭頭変位と加速度の時刻歴は、鋼性の高い杭、低い杭とも、実験結果と良く対応していた。また、液状化前後の杭頭加速度のフーリエスペクトルの変化についても、解析結果は実験と良く対応していた。以上の一致から、開発した解析法の有効性が検証された。
|