研究課題/領域番号 |
62460180
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
冨長 勇作 北海道大学, 工学部, 助教授 (80003200)
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研究分担者 |
氏平 増之 北海道大学, 工学部, 助教授 (90001990)
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キーワード | 坑内採掘 / 坑内保安 / 通気環境制御 / エキスパートシステム / 非定常通気温度解析 / ファジイ推論 / 知識ベース / 構造化されたユーザインタフェース |
研究概要 |
本研究は石炭・金属鉱山における保安を確保・制御するために、坑道網の特性を利用したエキスパートシステムの開発を目的として、2年度にわたって実施されたものである。研究の初年度には、エキスパートシステムの骨格構造を確立した。本年度は最終年度なので、実際に応用出来るよう炭鉱の現場での情報収集を行いエキスパートシステムでのルールの組合せを構築した。更にエキスパートシステムを発展させるための新たなルール作成に関するシミュレイションプログラムも開発した。これらの成果を基にして、坑内保安環境を評価・制御するためのエキスパートシステムのプロトタイプも作成した。本年度に開発したソフトは、1)坑内の必要な箇所に通気量を確保するためのユーザインタフェースとしてのノードポテンシャル線図および通気量-ノードポテンシャル線図の作成、2)補助扇風機を含む坑内通気網のマクロ特性のグラフィック表示、3)災害時でのデータ伝送方式のファジイ推論による選定法、4)坑内火災時の退避経路を選定するための構造化された質問応答形式による坑道網の拡大・縮小表示、5)通気温度と岩盤の地山温度から坑道壁面および岩盤内部の非定常解析、6)岩盤の壁面温度の通気による変化を考慮した坑内通気網での非定常通気温度計算法、7)坑内でのメタンガス希釈のための制御された車風の効果判定法、8)市販のエキスパートシステム構築ツールによる坑内熱環境制御エキスパートシステムの作成、9)鉱山保安に関する知識ベースとしての画像情報のデジタイザ・ビデオカメラによる取り込みと画像抽出法、10)マルチプレクサによる知識ベース蓄積システムの開発である。本年度の研究からエキスパートシステムには、知識ベースの蓄積が急務であり、特に災害時等の状況把握には画像データが有効であり、また構造化されたユーザインタフェースが適切な処置を実行するために不可欠であることが分かった。
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