研究課題/領域番号 |
62460184
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大久保 誠介 東京大学, 工学部 (90092155)
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研究分担者 |
西沢 泉 東京大学, 工学部, 助手 (70198456)
秋山 政雄 東京大学, 工学部, 助手 (00011172)
西松 裕一 東京大学, 工学部, 教授 (70010741)
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キーワード | 岩石 / 一軸圧縮試験 / 衝撃破壊 / 時間依存性 |
研究概要 |
本研究では、破壊までの時間が1ms程度の時の衝撃圧縮強度を簡便に求める試験方法を開発した。種々の実験方法が考えられるが、それらを一々検討することは難しいので、計算機プログラムを独自に開発し、計算機によるシミュレーションによって、有望な実験方法の絞りこみを行った。その結果、通常の一軸圧縮試験に使用される円柱試験片を、市販のロードセル(荷重変換器)の上に置き、ハンマーで叩くことによって、簡便に衝撃圧縮強度が求められる可能性のあることがわかった。 実際に実験を行ってみると、いくつかの問題点が見付かった。まず、鉄のハンマーで直接岩石試料片を叩くと、端面がかけてしまう事がわかった。また、破壊までの所要時間も目標とする1msよりかなり速くなってしまうことがわかった。そこで、ハンマーとして、先端が硬質プラスチックで出来ている無反動ハンマーを使用することにした。また、ロードセルの固定の仕方によっても、結果の異なる事もわかった。いくつかの問題点を、実験と計算機シミュレーションに依って検討し、いくつかの細かい実験方法の改良と変更を行った。その結果、まずまずの精度で衝撃圧縮強度を求められるように成った。 河津凝灰岩と多胡砂岩を用いて実験を行ったところ、衝撃圧縮強度は、通常の一軸圧縮強度の約2倍となった。この場合の破壊までに要する時間は、静的圧縮試験の場合と6桁ほど異なっている。その結果、衝撃圧縮強度がほぼ2倍となったものと思われる。この結果は、従来の知見と一致している。 本実験で必要とされるものは、いずれも簡単に入手できるものばかりであり、また価格も比較的安い。試験を短時間に行える特徴を有しており、今後種々の分野で応用可能と思われる。
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