研究課題/領域番号 |
62460198
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
溶接工学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大塚 昭夫 名古屋大学, 工学部, 教授 (60022993)
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研究分担者 |
東郷 敬一郎 名古屋大学, 工学部, 助手 (10155492)
森 要 名古屋大学, 工学部, 助手 (70023207)
宮田 隆司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (20023228)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 引張・圧縮疲労 / WCーCo超硬合金 / 窒化けい素 / セラミックス / 静疲労 / 繰返し疲労 / 応力比 |
研究概要 |
「高硬度・脆性材料」の代表的材料2種、WCーCo超硬合金と窒化ケイ素セラミックスについて、新しく開発した高精度引張・圧縮疲労試験装置を用いて疲労試験を行った。その結果、これらの材料はそれぞれ、各材料固有の、金属とはまったく異なる疲労挙動を示すことがわかった。 金属における疲労と特に著しく異なる特性をあげると、WCーCo超硬合金金属では、疲労限が最大応力できまり、しかも、応力比、材料のCo量等に関係なく一定の値となることがわかった。また、窒化ケイ素セラミックスの繰返し応力による疲労では、応力比および応力範囲の影響が金属における疲労とは逆に、応力比は1に近い方が、また、応力振幅(δmaxーδmin)は小さい方が寿命が短い傾向が見られた。このように、これらの「高硬度・脆性材料」の疲労が金属の場合とまったく異なった疲労挙動を示すのは、金属の疲労特性が材料の力学的特性できまるのに対し、今回対象としたような「高硬度・脆性材料」の疲労は、材料の力学的特性以外の種々の材料特性がその疲労特性に大きく関与しているためと考えられる。従って、材料の僅かの差により、疲労挙動が大きく変わることも考えられ、金属におけるより以上に疲労特性に注目する必要があることを示しているように思われる。なお、今回開発した引張・圧縮疲労試験装置は極めて高精度で実験を行うことができるので、材料の本質と無関係の実験誤差を最小にでき、しかも、圧縮も含む任意の応力比で、引張・圧縮疲労試験を行うことができるので「高硬度・脆性材料」の疲労に対する基本特性を調べる試験法に極めて適していることがわかった。
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