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1988 年度 実績報告書

林野火災大規模化の要因解明に関する基礎的・応用的研究

研究課題

研究課題/領域番号 62460202
研究機関佐賀大学

研究代表者

岸原 信義  佐賀大学, 理工学部, 教授 (40003769)

研究分担者 大串 浩一郎  佐賀大学, 理工学部, 助手 (00185232)
稲村 実  佐賀大学, 理工学部, 教授 (10011206)
竹下 敬司  九州大学, 農学部, 教授 (20117154)
キーワード林野火災 / 林野火災大規模化 / 片面燃焼 / 火災動態図 / 風洞実験 / ランドサットMSS解析
研究概要

1.林野火災跡地の水土流出特性について
昭和60年2月に発生した愛媛・香川県境林野火災跡地に設置した試験区の水土流出および水質・植生の経時的観測を継続した。研究期間中に豪雨が発生しなかったことが主因であると思われるが、燃焼程度による水土流出に顕著な差は認められなっかった。そこで人工降雨装置により時間雨量70mmの強雨を与えて水土流出量を測定すると燃焼程度による水土流出量に差が認められた。但しその程度は季節により異なり、植生の影響が大きいことが認められた。
2.火災動態図の解析について
中国・四国の火災動態図の解析を行ったが、最大傾斜方向と燃焼方向とは密接な関連が認められたが、付近の観測所のデータを用いた主風向と燃焼方向・燃焼速度との関係は必ずしも明らかでない。燃焼方向・燃焼速度に影響する風は主風向でなく、局地風・火事場風であるためと思われる。
3.火災現場における局地風・火事場風を観測するために、枯草を焼く福岡県平尾台に固定杭を、奈良県若草山に移動杭を設置して片面燃焼の計測を行った。ビデオ並びに熱赤外ビデオの記録により、火災動態図を作成し、解析を行った。可燃物の量が少ないため、強力な火事場風が発生せず、燃焼試験地周辺の風向・風速に変化は認められなかった。これは片面燃焼の調査・解析の重要性を物語っている。
4.ランドサットデータの解析について
ランドサット情報を有効に活用するため、火災跡地における画素値のサンプリング・そのクラスター分析・分類の統計的有意性の検定・因子分析による分類グループの結合などのプログラムを開発し、解析結果の空中写真などによる分類との対応を行い、詳細な燃焼程度図を作成した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 江崎次夫・小川滋・井上章二・岸原信義: 日本林学会大会論文集. 98. 581-584 (1987)

  • [文献書誌] 井上章二・小川滋・岸原信義: 日本林学会誌. 69. 401-406 (1987)

  • [文献書誌] 岸原信義・小川滋・井上章二: 日本林学会大会論文集. 98. 585-587 (1987)

  • [文献書誌] 岸原信義: 林業技術. 552. 17-20 (1988)

  • [文献書誌] サマラコーンラル・岸原信義・下村栄二・小川滋: 日本林学会誌. 70. 403-406 (1988)

  • [文献書誌] 小川滋・井上章二・岸原信義・下村栄二: 愛媛大学農学部演習林報告. 26. 143-148 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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