構造用パーティクルボードの内部組織構造の外力による変形挙動と破壊過程に関する実験的解析を行った。実験法としては、ベイツガ0.3〜0.9mm厚突板からの各種寸法のStrandをフェノール系接着剤で各種配列様式にて積層し、種々の典型的力学モデル構造体を作製した。Instron型試験機に枠組SPAN式応力負荷治具を装着し、構造体の局部に粘付したストレンゲージで引張力増大に伴うひずみ伸展過程と破壊強さを実測した。 1.内部構造にかかわる要因と破壊強度との関係 (1)含脂率:Strand接目間隔が小さいと、接着層での強いせん断作用で強度が低減するが、含脂率を増して接着性能で高めれば、増強効果が現れる。 (2)配列様式:Lap配列では積層形成においてStrand端部に損傷が起き、Butt配列に比して、欠陥部による強度低減が明確に認められる。 (3)接目間隔:接目の間隔が大きいと、Strand面間接着層のせん断破壊作用が消失し、増強が著しいが、その限界はStrand強度に支配される。 (4)Strand端部間々隙:大きい間隙のButt配列で強度低く、小さい間隙のLap配列では接目部Strandの損傷による強度低減が起きる。 2.パーティクル構造体内のひずみ伸展過程 (1)配列様式と接目間隔の影響:Strand接目間隔が短い場合、Lap配列では、引張力増大に伴いひずみが接目近傍に集中し、遠隔部とともに直線的に伸展し破壊に至る。Butt配列では、ひずみ増大度は低く、接着層せん断作用で、Strand自体のひずみが停滞して、一部が弾性解放しせん断破壊する。 (2)欠陥部の影響:Strand端部間隙の小さしLap配列ではStrand自体の屈曲やめり込みの存在で、引張力増大に伴い、固定変形のもどり現象が併発し、正常固定の遠隔部よりも低いひずみを起こす。Butt配列でも、著大間隙部近傍において類似の現象が起きる。また、欠膠近傍では、遠隔部に比し、引張力増大で破壊に近ずくにつれ、ひずみ伸展がやや増大する。
|