研究課題/領域番号 |
62460210
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
井上 英二 九州大学, 農学部, 助手 (00184739)
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研究分担者 |
上野 正実 琉球大学, 農学部, 助教授 (50145546)
山中 捷一郎 九州大学, 農学部, 助手 (20038251)
坂井 純 九州大学, 農学部, 教授 (70024536)
橋口 公一 九州大学, 農学部, 教授 (10038250)
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キーワード | 走行性 / 圃場 / 二層地盤 / 支持力 / 沈下 / 有限要素解析 / すべり線解法 |
研究概要 |
本年度の研究成果を以下に列記する。 1.現有の車輪走行性能試験装置は沈下量一定としていたが、農用車両は一般に接地圧一定で走行するとみなされ、これを実現し得るように、改良した。一定速度で走行する台車とリニアベアリングを介して連結されているので、車輪の姿勢が傾斜することなく、接地圧の変動も微小である。なお、この変動はL型センサ-により計測・把握される。また、車輪回転角による法線、接線応力分布の推移を把握するため、車輪面の180度異なる位置にT型センサ-を設置する構造に改良した。 2.土の変位を実測するための透明アクリル壁に罫線を印刷したゴム膜を用いていたが、すべり率が大きい場合には土の変位が大でゴム膜は追随できなくなる。そこで、十字を印刷した直径5mm、厚さ0.005mmのビニ-ル製マ-カを多数、アクリル壁と砂の間に設置する新たな手法を開発した。 3.この試験装置により、耕深に相当する土層の厚さを変化して、走行試験を実施した。その結果、耕深による牽引力、土中変位等の推移の状況が把握された。 4.下負荷面モデルを導入して、弾塑性変形解析の有限要素プログラミングを行った。そのさい、車輪との接触面における境界条件を、ク-ロンの摩擦条件を満たす相互すべりが生じるように、改良した。また、接地荷重が一定となるように、制御計算を組み入れた。これにより、すべり沈下現象の理論的予測が可能となった。 5.このプログラムにより、実験におけると同様の条件において、数値解析を行った。牽引力、車軸トルク、車輪面の法線・接線応力分布、沈下量、土の変位、ひずみ分布等の基本的力学量の解析結果は、実験結果の傾向を十分表現し得るものであった。
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