研究課題/領域番号 |
62460223
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
有川 節夫 九州大学, 理学部, 教授 (40037221)
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研究分担者 |
宮原 哲浩 九州大学, 理学部, 助手 (90209932)
篠原 武 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (60154225)
宮野 悟 九州大学, 理学部, 助教授 (50128104)
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キーワード | プログラムの再利用 / 帰納推論 / 類推 / 論理プログラミング / 並列計算量 |
研究概要 |
本研究の目的は、仕様とドキュメント付きのプログラム群を対象にしたソフトウェアの再利用を、帰納推論の類推を活用した知的間題解決の問題として捉えて、そのための基礎を確立した再利用の方式を実現することである。この目的を達成するために、昨年度の成果をもとにして本年度は以下のような研究成果を得た。 (1)論理プログラムを対象にした双方向の精密化による帰納推論方式を提案して、その完全性の証明を与えた。本研究によるソフトウエアの再利用による開発の基本的な手順は次の通である。(a)開発しようとしているプログラムに類似したプログラムを仕様やドキュメントを対象にして検索してくる。(b)この類似した1つのプログラム(P)に何個かの例を与えて、類似によりプログラムを走らせる。(c)成功した例に対して使用されたPの節をその時の類比(対応付け)に基づいて変換し取り込む(Q)、(d)この取り込まれたQを出発点にして更に例を用いて帰納推論により所期のプログラムRを開発する。(1)の研究はQからRの誘導が双方向の精密化演算子を使う帰納推論で可能であることを示したものである。 (2)類推の理論を推論の妥当性の概念が極く自然に導入できるようにし、また最近のRusselによる決定則(determinat-ion)の概念を包括できる形に拡張した。特徴的なことは類推の対象として領域に関する否定的事実を導入し、明らかに的外れな類推を排除できるようにした点である。 (3)推論の並列可能性について研究し、並列化のアルゴリズムを与え、同時に並列化によって効率化できない多くの問題を提示した。
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