研究課題/領域番号 |
62460229
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
戸田 三朗 東北大学, 工学部, 教授 (60005387)
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研究分担者 |
黒川 政秋 東北大学, 工学部, 助手 (70143021)
堀 豊 東北大学, 工学部, 助手 (20173619)
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キーワード | 反応度事故 / 過度二相流 / 凝縮気泡 / ボイド率分布 / 画面処理 / 非凝縮性ガス |
研究概要 |
今年度は、前年度に引続き、現有の小型沸騰ループを使用し、高周波加熱器を熱源として、水冷却型原子炉の反応度事故時に過渡沸騰により発生した蒸気ボイドがサブクール水中で凝縮、消滅していく過程を模擬する過渡二相流実験を実施した。昨年度の可視化実験の結果から、同一実験情景でも、蒸気泡の凝縮には緩急二種類の挙動が存在することが確証された。この蒸気泡の多彩な凝縮挙動は、周囲液相サブクール度の変動が原因と考えられるため、今年度は、極細熱電対を使用して二相流の局所的な温度分布を測定し、温度変動の確立密度ヒストグラム分布を得た。その結果から、液相温度が数K程度の幅じ時間的に変動しており、この変動が蒸気泡の複雑な凝縮挙動に影響を及ぼしていることが明かとなった。また、従来のサブクール沸騰域二相流理論に凝縮相関式を導入した解析を行い、得られたボイド率及び液相サブクール度分布の理論値と実験値とを比較して良好な一致を得た。さらに、試験部に非凝縮性ガスとして窒素ガスを混入し、過渡二相流中の沸騰及び凝縮に対する非凝縮性ガス混入の影響を調査する実験が現在進行中である。また、本研究で新たに開発した画像処理技術を用いた二相流計則法を改良するために今年度、設備備品として購入したビデオカメラを使用して二方向から同時に透明可視化試験部での二相流動様相を撮影し、気液界面状の時間変化をより正確に捉える試みも並行して行われている。今後は非凝縮性ガスの混入の影響を詳細に調査し、その影響を考慮に入れて過渡二相流動のモデル解析を発展される予定である。
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