研究課題/領域番号 |
62460231
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研究種目 |
一般研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
原子力学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
井上 晃 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教授 (20016851)
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研究分担者 |
高橋 実 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助手 (90171529)
有冨 正憲 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (60101002)
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研究期間 (年度) |
1987 – 1988
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キーワード | 高転換炉 / 稠密格子炉心 / ドリフトフラックスモデル / 限界熱流束 / 沸騰二相流 / 摩擦損失倍率 / サブクール沸騰 |
研究概要 |
高転換型軽水炉は、転換比が0.9〜1.0となることが予想され、ウラン資源の有効利用の観点から次世代炉として期待されている。しかし、この原子炉の課題の一つは、軽水/燃料の体積比が、現軽水炉の1/3〜1/4に低下する稠密炉心における定常及び事故時に十分な流動と除熱が得られるかにある。本研究では、初年度が稠密炉心の熱水力学的パラメータを模擬し、ワイヤースペーサーを有した単一環状流路の内管加熱、次年度が同7本の加熱棒からなる燃料集合体の狭い環状流路における定常条件下の沸騰伝熱現象、限界熱流束および二相流特性等を調べ、次の様な成果を得た。1)沸騰二相流の流動様式で気泡流ーフロス流ー環状流への遷移は大きな流路に比べて低クオリティで生じる。2)核沸騰熱伝達について、単一円管流路における沸騰熱伝達率よりやや大きな値が得られた。これは、沸騰による主流の促進とワイヤースペーサーによる乱れとクロス流の影響と考えられる。3)限界熱流束は、単一環状流路内管加熱では、従来の限界熱流束の関係式にくらべて、2割程度低下する結果が得られたが、7本集合体の実験では、従来の限界熱流束とほぼ同じ結果が得られた。これは、管群間のクロス流のためドライアウトしにくくなるためと考えられた。この結果は、稠密格子炉心が、定常条件下の限界熱流束についてはこれまでの炉心と遜色がないことを示している。4)沸騰二相流の圧損は、サブクール沸騰領域のボイド率の効果が大きく影響する。ここでは、サブクール領域の新しいボイドモデルを検討するとともにワイヤースペーサを有する単一加熱管および多群加熱管沸騰流路の摩擦損失倍率について、それぞれ新しい実験式を求めた。そして、これらを用いた沸騰二相流の全圧力損失について、ドリフトフラックスモデルを適用して圧力損失の解析を行い、種々の条件の実験結果と比較的よく一致することを明らかにした。
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