研究分担者 |
岩崎 一孝 北海道大学, 文学部, 講師 (90176537)
清水 収 北海道大学, 農学部, 助手 (20178966)
山本 博 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 助手 (70110632)
斉藤 享治 北海学園大学, 教養学部, 助教授 (60170495)
小野 有五 北海道大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (70091890)
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研究概要 |
1 永久凍土の分布調査 北海道には永久凍土は大きく2地域に分布している. 大雪山地域(山岳地域)とその周辺地域(平地地域)である. そこでまず置戸町から足寄町にかけての現地調査を実施し, 合計15ヶ所で永久凍土の分布を確認した. 各地域では, 表層ボーリングを実施して, 地中温度分布を記録した. 置戸町ではボーリング孔を用いて, 地中温度分布の経時変化を観測した. 斜面堆積物を持ち帰り, 熱的性質の測定も実施した. 大雪山地域では, 深さ3mまでのボーリングを実施して凍土の垂直分布を確認した. あわせてボーリング孔内に各深さごとに温度センサーを設置した. 8月下旬には, 小型航空機をチャーターして, 大雪山周辺についての広域調査も実施した. その結果, 大雪山東側斜面に, 永久凍土の存在を示す植生(アカエゾマツ)が分布することが確認された. 次年度この地点を重点的に現地調査する予定である. 空中写真による事前調査を行った. 2 空候変動の研究 永久凍土が1万年前ごろ(後氷期はじめ)に形成されたとする示標として, 大規模崩壊地形が分布する. これについての現地調査を実施した. 形成時期を示すと思われる有機物を採取し, 花粉分析を行うために, 研究協力者に分析を依頼した. 現在の気候変動を知るために, アメダスデータを用いての気候解析を行った. 気温・日射・風などを考慮した土の凍結予測数値解析をコンピューター入力して, 凍結深さの全道分布を明らかにした. その結果, 大雪山周平の高度600mに永久凍土の分布することが示唆され, 空中からの調査と一致した. 3 永久凍土に関連した地形調査 大雪山北海平に分布するツンドラ構造土の分布と形成機構についての調査を実施した.その結果, 現在の気候条件下でも, 凍結による凍土の割れ目が発生することが確認された. 年平均気温は-3.5℃であることも判明した.
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