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1988 年度 実績報告書

北海道各地の永久凍土の形成発達とそれに及ぼす気候変動の影響

研究課題

研究課題/領域番号 62460234
研究機関北海道大学

研究代表者

福田 正己  北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002160)

研究分担者 清水 収  北海道大学, 農学部, 助手 (20178966)
斉藤 享治  北海学園大学, 教養部, 助教授 (60170495)
岩崎 一孝  北海道大学, 文学部, 講師 (90176537)
山本 博  北海道大学, 大学院環境科学研究科, 助手 (70110632)
小野 有五  北海道大学, 大学院環境科学研究科, 教授 (70091890)
キーワード永久凍土 / パルサ / 大雪山 / 凍結割れ目 / 構造土 / 崖錐性斜面 / 風穴
研究概要

1.大雪山の永久凍土地域のバルサ調査
6月中旬に大雪山高根ケ原(+1960m)地域で、パルサ(Palsa)の調査を実施した。パルサは泥炭質の永久凍土丘であり、直径20m、高さ1mの大きさである。ボーリングによって深さ423cmまでの凍土内部の構造を調べた。地表から80cmまでは泥炭であり、以下423cmまでは無機質の堆積物である。泥炭層の下部には砂礫層が含まれる。地表から約150cmの深さに、薄いアイスレンズが確認された。この砂礫層の下位には、砂礫まじりのシルト層がありここには厚さ1〜3cmのアイスレンズの互層が形成されている。これかの特徴から、パルサの成因はaggradationalpalsaであることが分かった。
2.北見置戸町の鹿の子ダム付近の永久凍土調査
前年にひきつづいて地下氷の存在が確認されている斜面での地中温度分布を観測した。その結果、表面から80cm深より800cm深さまでは年間を通じて温度は0℃以下の状態に保たれていた。斜面の基底部に割れ目があり、そこから吹き出している風の温度を測定したところ-0.1℃であり、また2m/secの風速があった。これらの観測事実から判断して、地下氷は発見ののち少なくとも10年間は存続していることがわかった。また、地下氷が維持される原因は、崖錐性堆積物の空隙を通じての低温空気の流入があり、これによって冬季間には冷却されていることによるのであろう。
3.永久凍土の分布する地域の森林植生上の特徴
氷塊が発見された斜面は平均傾斜が25度の平滑な斜面である。20×20mの方形プロットを設定して出現する高木類個体について、樹種と樹高を調査した。その結果トドマツが大多数を占め、アカエゾマツ、エゾマツ、イチイが多くみられた。立木密度は高く、林床は暗くなっていてトドマツ稚樹とクマイザサがおおっていた。十勝三股でのアカエゾ-トドマツ-イソツツジ-ホソバミズゴケの階層構造は見いだせなかった。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 福田正己/曽根敏雄/高橋伸幸: 科学朝日. 12. 115-120 (1987)

  • [文献書誌] T.Sone/N.Takahashi/M.Fukuda: Proc.of Fifth International Permafrost Conference,Tronheim,Norway. 1. 253-258 (1988)

  • [文献書誌] 福田正己: 岩波、科学. 59. 145-152 (1989)

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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