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1988 年度 実績報告書

有機化合物のりん光磁気円二色性検出磁気共鳴

研究課題

研究課題/領域番号 62470005
研究機関電気通信大学

研究代表者

井早 康正  電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30017280)

研究分担者 成沢 孝敏  電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (30143712)
伊藤 博敏  電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (30017389)
キーワード磁気円二色性 / スピン副準位 / 光化学初期過程 / 励起三重項状態 / スピン分極
研究概要

第2年次である本年度は、高出力マイクロ波掃引装置の最終的調整とT_1←S_0選択励起の影響を考察するために色素レーザーとエタロン干渉計を組合わせたチューニング装置の作成に重点を置いた。後者については波長領域320-450mmで、励起光の線幅を最小0.02cm^<-1>とすることが可能である。エキシマー・レーザー(X_ecl)を用いて有機分子を一重項または三重項に励起し、高出力マイクロ波を三重項スピン副準位間の飽和回復に用いる。その発光(りん光)の磁気円二色性(MCD)を観測してスピン副準位間の物性、とくに無放射遷移の速度定数、りん光状態の速度定数などを研究した。試料としてベンゾキノン、ナフトキノン、アントラキノンについて1.4Kの低温で上記の方法により測定を行った。また、無水フタル酸及びその誘導体、無水ビロメリット波及びその誘導体についてもりん光MCD検出の実験を行い、その結果を従来のゼーマンスペクトルからの結果と比較して、この検出法が極めて有利であることを見出した。すなわち、これらの結晶においてはりん光スペクトル、偏光吸収スペクトルが微弱で、励起三重項の帰属、振電結合のルートなどを決定するのにかなりの不確定さが含まれるのであるが、本研究の検出により、帰属はより明確に、またルートも論理的に決定することができた。有機キノン類に関してはその光化学初期過程が重要な検討事項であり、時間分解的な解析を必要とする。特に溶液試料の場合は溶媒の極性、特性などがこれらキノン類の励起三重項状態を経て反応の振舞い、ときにスピン分極とラジカル対の生成などに関してESR法を併用してその解明に努めた。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Hisao Murai;et al: J.Physical Chemistry. 92. 2120-2124 (1988)

  • [文献書誌] Hisao Murai;et al: Chemical Physics Letters. 144. 417-420 (1988)

  • [文献書誌] Yoshio Sakaguchi;et al.: J.American Chemical Society. 110. 7479-7484 (1988)

  • [文献書誌] Hisao Murai;et al.: Chemical Physics.

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公開日: 1990-03-19   更新日: 2016-04-21  

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