研究課題/領域番号 |
62470010
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
太田 俊明 広島大学, 理学部物性学教室, 教授 (80011675)
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研究分担者 |
田中 健一郎 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (90106162)
横山 利彦 広島大学, 理学部・物性学教室, 助手 (20200917)
関 一彦 広島大学, 理学部・物性学教室, 助教授 (80124220)
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キーワード | 真空紫外放電管 / CVP法 / 内殼吸収スペクトル / ジアセチレン化合物光重合 |
研究概要 |
今年度は本研究の最終年度にあたる。主研究に関してはまだ目標に到達するまでに到っていないが、関連する分野に関していくつか発展がみられた。 1.真空紫外光分解用光源の製作 光分解用に熱フィラメント方式の真空紫外放電管を作成した。これには三段の差動排気を組込み、超高真空下のUPS測定の光源にもなるように設計した。この放電管は冷陰極方式に比べて約10倍の出力を持っていることが確められた。次年度において、この光源を用いて光分解反応の実験を進める予定である。 2.炭素薄膜の合成とその評価 熱フィラメントCVD法によって、原料物質のメタン濃度を変えて、各種の炭素薄膜を合成した。得られた試料はラマン、赤外、SEM、X線回折等の測定から、メタン濃度の増加に伴ってダイヤモンドからアモルファス炭素薄膜へと移行して行く過程が明らかになった。特に今回初めて、これら試料のC K内殼吸収スペクトル測定から、薄膜表面にグラファイト状炭素以外にメチレン基を持った炭素が存在していることが明らかになった。 3.ジアセチレン化合物光重合過程の研究 CH_3(CH_2)_9-C〓C+C〓C-(CH_2)_8COOHの紫外光照射による光重合過程をC・K内殼吸収スペクトルの測定によって追跡した。理論計算との比較から、局在した2つの三重結合が光によって共役した二重結合と局在三重結合に変化していく様子がわかった。 4.a-si薄膜の作成と評価 高周波プラズマ、DCプラズマ法によって単結晶si上にa-si薄膜の作成をいろいろな条件下で行った。現在、タイオード特性の測定から界面のSchottkyバリアの評価を行っているが、今後、1.で作製した真空紫外放電管と阻止電場型電子分光器を組合わせて、UPSの測定から界面の電子状態を調べていく予定である。
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