研究課題/領域番号 |
62470015
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
斉藤 修二 名古屋大学, 理学部, 教授 (30106158)
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研究分担者 |
山本 智 名古屋大学, 理学部, 助手 (80182624)
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キーワード | マイクロ波分光 / 短寿命分子 / フリ-・ラジカル / 星間分子 / 電波望遠鏡 / 未同定線 / 周波数倍周波器 / サブミリ波 |
研究概要 |
1.周波数倍周波器の試作、62〜63年度に試作した2倍周波器の試験結果に基づいて、本年度は、3倍周波器の試作をおこなった。300GHz付近で得られた出力は、当初の目標の数分の1程度であった。試作倍周波器の出力特性を詳細に調べ、出力を向上するための条件を試行錯誤に上り。改良型の設計を生かしつつある。当初の目標の450GHz以上を発生する4倍周波器の開発は次年度以降におこなう。 2.短寿命分子のミリ波サブミリ波分光、既設のミリ波サブミリ波分光器を用い、寿命の短い分子、特に量間分子として可能性の大きい分子の分光をおこない、いくつかの分子については、実験室分光の結果に基づき、電波望遠鏡による探査もおこなった。1)CH_2CN(^2B_1)ラジカル。CH_2CN3ラジカルのマイクロ波スペクトルを初めて明らかにし、その結果に基づいて、CH_2CNを新しい星間分子に固定したことは既に報告した。本年度は、CH_2CNの水素核および窒素核の超微細構造を詳細に解析した結果、国立天文台野辺山宇宙電波観測所の45m電波望遠鏡に上り暗黒星雲TMC-1より検出されていた40GHz帯の26本のスペクトル線を定量的に詳細に説明することができた。この結果、TMC-1におけるCH_2CNの存在量がCH_3CNの10倍にも達することが明らかになり。星間CH_2CNの化学に新しい問題を提起した。2)他の短寿命分子の分光。AS(^2Σ^+)、ND_2(^2Β_1)、NH_20(^2Β_1)、HSiS(^2A^1)及びReS(^5Δi)ラジカルのスペクトルを初めて明らかとし、それぞれの詳細な分子定数を精密に決定した。また、含けい素直線炭素鎖分子C_4Siのスペクトルも検出し、新しい星間分子としての存在を確立した。
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